
- アーティスト: Nine Inch Nails
- 出版社/メーカー: Interscope Records
- 発売日: 2007/04/17
- メディア: CD
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US出身のTrent Reznorを中心としたインダストリアルロックバンドの5thアルバム。
すっかり寡作の大物というイメージがついていた当時の彼らにしては、約2年振りという比較的速いスピードでのリリースとなった本作。詳しくは知らないけど、終焉した近未来を描くことで(当時の)米国政府を批判するというコンセプトがあり、アルバム以外でも色々な仕掛けを施した一大プロジェクトだった模様。過去を清算したお陰か速やかに伝えたいメッセージがあったからか、いずれにせよ創作意欲に溢れていたのは良いことだと思います。その作風は前作の比較的ストレートなバンド路線を踏襲することなく、全面的に打ち込みのサウンドへ移行。でも90年代インダストリアルロックへの回帰というよりはダブステップやリズミックノイズを取り入れた変化といった感じで、巧みを凝らしたリズムトラックやビープな電子音やスクラッチノイズが抑揚をつけながら入り乱れる様は、狂気や暗黒美というよりは純粋な音楽的欲求や実験から生まれたような風通しの良さが感じられます。分かりやすいキャッチーな曲があまり無いことや、全体的にコンピュータ制御されたような無機質な作りは好みを分けそうだけど、根幹の部分はあくまできっちりポップに作られているし、やはり唯一無二の存在感は健在。そしてNine Inch Nailsらしさを失わないまま新しいものを生み出そうとする姿勢は素晴らしいと思います。
[16] Nine Inch Nails - Survivalism (Fuji Rock Festival 2013)