BUCK-TICK / RAZZLE DAZZLE

RAZZLE DAZZLE

RAZZLE DAZZLE

 

 5人組ロックバンドの17thアルバム。

 

 本作の制作時に前作「memento mori」が一種の集大成だったいう気づきがあったり、そのツアーにおける収穫等も反映し、本作の方針を固めたというエピソードがあるようです。その結果、より単純にライブでノれるものだったり、ダンサブルなビートを追求しつつ、「ディスコ」をキーワードに下世話な喧噪や80年代風のアプローチも盛り込んだ意欲的なサウンドの構築に成功。いかにもB-Tらしい世界を打ち出した黒い曲を始め、そこから逸脱した曲をいくつかは挟みつつも、CUBE JUICE長尾伸一)の手によってアルバム用にチューニングされたシングル曲も含めベースとなる作風は一貫されており、「馬鹿騒ぎ」というタイトルが付けられたのも納得のダンスロックアルバムに。文字通り緊張感や刺激というよりは快楽的ムードや遊び心の方に耳が行き、中でも受精をモチーフにした「狂気のデッドヒート」における櫻井敦司の絶叫までもを歌詞の一部にするという離れ業や、「BIBBIDI-BOBBIDI-BOO」なんてワードが飛び出すラテンナンバー「Django!!! -眩惑のジャンゴ-」辺りは特に痛快極まりなく、コミカルの域にまで行った表現には驚きさえも覚えます。櫻井敦司今井寿が歌詞を持ち寄ったという「TANGO swanka」も、そんな本作ならではの試みという感じ。一概に全てがそうではないとはいえ、絞ったテーマで15曲というボリュームはさすがに中ダレしてしまう面は否めないけど、集大成的な作品の後でもその勢いをとどめない彼らのバイタリティには敬服するばかりです。