カナダ出身のインダストリアル/EBMユニットの9thアルバム。
長らく在籍した主要メンバーRhys Fulberが、他のバンドの制作(昵懇のFear Factoryなど)に専念するためにグループを(一時)脱退。代わりに過去に本ユニット在籍歴もあり、近年はサポートに専念していたChris Petersonが正式に(再)加入。そして本作の制作にあたりイニシアチブをとったというだけあって、内容がかなり様変わり。ブレイクビーツを全面的に取り入れたスマートなビートや、映画やテクノ/ビッグビート界隈からのサンプリングを駆使したテクノオリエンテッドなアルバムとなっています。ついでに言うと、1曲1曲も長いし、ボーカル無しの曲も幾つかあったり。肉体に訴えかけるようなボディビートだったり、ここ数作にはつきものだったギターがなくなったのも含め大きな変化を伴った一作だけど、彼ら特有のサイバーな音使いやヒンヤリとした温度の低さみたいなものが浮き彫りになった節もあり、これはこれで悪くない。当時セールスに影響をもたらすほどに賛否が起こったようだけど、彼らの最初期の頃の音楽性が好きな人にはより受けそうな気もします。リード曲「Corruption」も格好良いけど、ハードなインダストリアルテクノを展開するシークレットトラック「Bill In A Box」も忘れずチェック!