MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

hide / Ja, Zoo

Ja,Zoo(ヤズー)

Ja,Zoo(ヤズー)

 

 X JAPANのギタリストによる3rdアルバム。

 

 X JAPAN解散後、hide with Spread Beaver名義でソロ活動を再開したhideのソロ3作目であり、彼の急逝後に、彼の右腕的存在だったI.N.A.やSpread Beaverのメンバーを中心とした関係者が、残されたデモ音源などを元に完成させたもの。「ROCKET DIVE」に端を発した、共通のテーマを内包したシングル3部作は言うまでもなく名曲だし、zilch「INSIDE THE PERVERT MOUND」のセルフカバー「LEATHER FACE」、「DOUBT」の別バージョン「DOUBT '97」も新たな一面で楽しませてくれ、新曲も彼の新たな可能性を示していました(特に「BREEDING」はシンプルな曲構成・それを最高の形で発揮する熱演・hideらしい歌詞が一体となった凄い曲だと思う)。過去作ほどの各ジャンルごった煮クロスオーバー感はないけど、バンドサウンドの基本に立ち返ったような解放感に溢れ、だけどその奥に入り組んだように多彩な仕掛けが詰め込まれたサウンドは、彼が掲げた「PSYBORG ROCK」というキャッチフレーズを体現するに相応しいものだったのかも。最終的には過去作と同じ全16曲を予定していたのかなと思っていたけど、2014年に発表された未発表の新曲「子 ギャル」を含めた構想によるとそうではなかったよう。いずれにせよ完成形を聴いてみたかったなという気持ちを抱えながら、今も楽しませてもらっています。