イタリア出身のインダストリアルロックバンドの1stアルバム(2005年)。
“サイバーパンク”をテーマにしたアルバムで、そのタイトルもサイバーパンクの古典小説『ニューロマンサー』を元にしているようです。共同プロデュースには4ADゆかりの著名プロデューサー・John Fryerも参加。彼らはインスピレーション元にHIMなどを挙げており、同時代のゴシックロック/メタルやエレクトロゴシックのバンドとも接点や交流があるように、自身もまた耽美性を感じさせるメイクや雰囲気をまとっています。ただ、音楽的には4つ打ちのダンスビートにビビッドなシンセを鳴り響かせ、ポップパンクにすら到達する陽性のメロディと、ライブのオーディエンス風の掛け声を武器にキャッチーに駆け抜けていきます。強引な例えをすると、Marilyn Mansonから毒気や不気味さを完全に抜いて、楽曲を単純化しつつスピーディ&パンキッシュにした感じ。ノイジーなギターやヘヴィなサウンドで攻撃的/破壊的な音像を志向していたバンドが多かった90年代のインダストリアルロックとは違い、ビートとシンセを主導にしたメロディアスさだったり、ミドルチューンやバラード的な曲にも哀愁の色づけが徹底されている点には、まさに2000年代のインダストリアルロック──エレクトロ/ダンスミュージック側からのインダストリアル/EBMへのアプローチという新規性を感じます。インダストリアルロックバンドとして捉えると、ちょっと軽すぎるとかポップすぎるという点で好みを分けるかもしれないし、やや一本調子のためちょっと飽きやすいかもという懸念もあるけど、全体的には、1作目にして自身の方向性や強みを上手くまとめ上げた作品だと思います。
