アメリカ・オレゴン出身のEric Powellを中心としたインダストリアルロックバンドの5thアルバム(2007年)。
オリジナルアルバムとしては『SuperCoolNothing』以来、実に9年ぶりとなる作品。その間は公式に休止宣言などはしていなかったようだけど、表立った活動もしておらず、編集盤がポツポツと出されるのみでした。そんな中で復活の狼煙を上げた本作は、KMFDMなども在籍するMetropolis Recordsへ移籍してのリリース。まず時代に合わせサウンドクオリティは順当にアップデート。90年代的な荒々しさは演奏/ミックス両面で控えめになり、EBMや定型的なインダストリアルロックでもなければオルタナティブロックへの接近などでもない、彼らなりにリズム/エレクトロニックなテクスチャーに重きを置いた2000年代へ向けての音像やスタイルを獲得しています。曲調もヘヴィさやポップさなどを強く意識せず、いい意味で肩の力が抜けたような余裕すら感じられるものになっているし、ボーカルもいくらか表現が向上し、そんな曲調やキャラクターともマッチ。楽曲によってはなんだかちょっとThe Smashing Pumpkinsにも近い空気感もあったり?その中では後期Pitchshifterばりのドラムンベース/ジャングルビートや、ダンス/エレクトロニカ色の強いものなど過去にない挑戦もあり、それも浮いたりせずしっかりと馴染むよう設計されていて、全体をしっかり聴かせてくれます。過去の足跡を否定せず音楽性を再整理し、血肉化して前進へ繋げたとも言える一作で、実質的に10年近いブランクを埋めるに相応しい充実作かと。
そんな彼らですが、2017年ごろから再び活動を休止。しかし2024年にレーベルと再契約し、編集盤を一作、そしてその翌年2025年に10thアルバムをリリースするなど、近年また活動が再開されています。内容もなかなか良かったし、今後も動きを見守っていきたいところ。
今回の記事に合わせ、彼らの3rd~4thアルバムの紹介記事の文章を少々見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。
