MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Pitchshifter / Desensitized

Desensitized

Desensitized

 

 UK出身のインダストリアルメタルバンドの2ndアルバム(1993年)。

 

 依然として初期の彼ららしいデス/グラインド風の重低音。しかし今作は、その中にいい意味での躍動感、若干のメロディ要素、空間を暴れ狂うハイトーンのギター音、僅かなサンプリングといった新要素が明確に作用し、以前までに比べるとリスナーとの距離も幾分縮まったようです。それでもこの反復されるマシーナリーなギターリフや大きなうねりを生み出すベースの低音の絶妙なハーモニーは相も変わらず重苦しく、アンダーグラウンド臭の漂う荒廃的な雰囲気はやはり強烈。その冷徹かつ無機質で無骨なサウンドは一部で「ポストMinistry」とも形容されたそうです。非常に一本調子なんだけど決してマニアックなだけに終わらない魅力があり、意外と聴きやすい部分もあったりして好感触。メジャーデビュー以降とは全く違う音だけど、それとは別物として初期の作風の決定版といってもいいし、アングラ・インダストリアルメタルの傑作とも呼べるクオリティがあります。