自分語りとI've「G.C.BEST」 全曲レビュー

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 当ブログでI've soundのCDを紹介するのは、当然好きだからという理由もありますが、ジャイ宣さん(かつて存在したCDレビューサイト「ジャイアニズム宣言(仮)」管理人:TCRさん)へのリスペクトというのも大きな理由の1つだったりします。管理人が「I'veの音楽に惹き込まれたこと」と「インダストリアル系の音楽を好きになったこと」は別の軸の出来事だったけど、ジャイ宣さんを通じてそれが一本の線で繋がったときの衝撃というのは、自分の音楽人生においてもそう何度とないレベルのとても大きなものでした。この辺のことは大昔にちょっとだけ記事にしたこともあったっけ。

 

 なので、ジャイ宣さんが残念ながら閉鎖されたときに「インダストリアル音楽好きから見たI've soundの魅力」の発信は自分が引き継ごうと思い立ったし、それが当ブログのテーマの1つや更新への原動力にもなっていました。

 そして。すでに記憶もぼんやり曖昧ですが、ジャイ宣さんが閉鎖されたときはI'veのレビューがこの「G.C.BEST」直前だったような気がするので、記事の数で追いついたという意味で、またちょうどベスト盤という適した作品でもあるので。I'veへの愛とジャイ宣さんへのリスペクトを込めた「全曲レビュー」を記しておきます。完全に自己満足の企画ですが、よろしければお付き合い下さい。 

 

 

「G.C.BEST -I've GIRL's COMPILATION BEST-」…… I've発足15周年を記念した2枚組ベストアルバム。2012年6月29日発売。過去にリリースしたGIRLS COMPILATIONシリーズ全7作品+αの全楽曲を対象に人気投票が実施され、その上位25曲に新曲を加えた全26曲をリマスタリングし収録したもの。

 

1-01. FUCK ME / 美妃

 いきなりタイトルがアレですが(笑)、I'veがI'veを名乗る遥か前から存在し、商業的にも転機となった原点とされる曲(の、女性Vo.版)。ホラー映画のサンプリングや男性ラップパート等、あまりにも彼らのパブリックイメージからかけ離れた異質なギミックから始まるのがちょっとした恐怖。ボムボムうるさいバスドラの高速ビートを下地にした、聴くというより激しく踊るための曲。ファンには語り草となっている曲で、最初期の(単発のゲストボーカリスト陣の)枠から本作にほぼ唯一例外的に選出。

 FUCK ME - 美妃 - YouTube

 

1-02. Disintegration / Lia

 ガールズコンピ盤第3弾のタイトル曲。歌っているのはKeyの作品、特に「鳥の詩」やアニソン等で有名な実力派歌手のLia。声楽をルーツに持つ高い歌唱力、本場仕込みの英語力を存分に生かした全英語詞のクールなトランスで、とにかく歌の存在感に圧倒されます。特にサビの最後にぐわーっと高く抜けていくソプラノ高音は圧巻。これほどの名曲がノンタイアップでアルバム用に書き下ろされるのがI'veの凄さ!

 Lia - disintegration - YouTube


1-03. I pray to stop my cry -little sea style- / 川田まみ

 同名の曲のリミックスver.で、川田まみが歌を担当(KOTOKOが歌う原曲はレア曲第3集に収録)。雰囲気は大きくは変わらないけど、こちらの方が音がはっきりゴージャスだし、サビの強力なエコーやリバーブ処理による演出も様になっていて、明らかに出来が良い。川田まみのボーカルも上手くハマってると思います。曲そのものは、清涼飲料水のCMソングみたいだなぁと(何だそれ)。

 I pray to stop my cry -little sea style- - YouTube


1-04. 同じ空の下で / KOTOKO

 あるタイアップのOPとEDにおいて、歌を担当するKOTOKOとMOMOが、曲を交換して作詞を行うという実験的な試みで生まれた曲。作詞家としての顔も持つKOTOKOはタイアップ曲であっても基本的には自ら作詞するので、こういうのは珍しい。郷愁的な王道のシンセポップはいかにも初期の作風っぽいけど、2010年発売の「EXTRACT」に収録されたためCDで聴くとちょっと浮いていた。上位の人気曲。

 【作業用BGM】同じ空の下で【KOTOKO】 - YouTube


1-05. Do you know the magic? / 詩月カオリ

 詩月カオリ唯一のベスト選出曲。軽快なギターのカッティングとノリノリのコーラスが印象的なキュンキュン系のポップロック。というかほぼ電波ソングなのだけど、通常のコンピ盤に収録されたし、ふわふわっとした持ち歌が多いカオリンも実はこういう曲もお手の物なので、彼女の代表作としても、またベスト盤のバランスを考えても、この曲が入ったのは正解だったように思います。あーかわいい! 

jN.MIYU - Do you know the magic? (詩月カオリ) (魔法はあめいろ?) - YouTube

 
1-06. oblivion / KOTOKO

 C.G mix作曲。ハウスを意識したアレンジというだけあって、ピアノを主体にしたちょっとお洒落なトラックが印象的。KOTOKOの大人びた歌い方もハマってます。C.G mixがI'veの作家として活動を始めた初期の頃の曲らしいけど、彼ならではの作風──小室哲哉の影響をモロに受けた90年代J-POP的な外連味が、I'veに新風を吹き込んだというのがよく表れている一曲。

 oblivion (KOTOKO) - YouTube


1-07. 夏草の線路 -Album Mix- / KOTOKO to 詩月カオリ

 I've Special Unitを除くと唯一のユニット名義のデュエット曲。原曲はKOTOKO to AKIだったけど、アルバム収録の際にKOTOKO to 詩月カオリで再レコーディングされたもの。まるで姉妹のような抜群のコンビネーションを聴かせてくれます。原曲はコンピ盤に収録されなかったレア曲なので聴いたことはないんですが、タイトル通り、どこか夏らしい風景を具現化したようなキラキラとしたシンセポップ。

 夏草の線路 -Album Mix- - YouTube

 

1-08. FLY TO THE TOP / MELL

 かなり古い曲。強烈なアクセントのダンスビート、シンセの高速アルペジオリード、壮大なストリングスの組み合わせで、飛翔感たっぷりに突き抜けていくダンスミュージック。明るい曲調だしMELLも可愛らしく歌っているのでメジャー以降のリスナーが聴くと驚くかも。「美しく生きたい」ともまた違うけど、テーマはどことなく共通するようなところもあり、いずれもMELLの初期を彩る代表的な曲と言えます。 

MELL - FLY TO THE TOP - YouTube

 
1-09. two HeaRt / 桐島愛里

 後にLarval Stage Planningの一員としても活動を開始する桐島愛里のボーカルデビュー曲。井内舞子によるちょっとシックな4つ打ちの歌モノ。シンプルな進行のAメロから少しずつ加わっていく切なさを煽るシンセで盛り上げていく流れが秀逸。桐島愛里のボーカルは、えい子先生を少し若くした風というのが第一印象で、この曲の大事なマテリアルであるコーラスも含め抜群に歌いこなしていると思います。

 AMV💖 ~ Airi Kirishima ~ 💚Two Heart💛 ~ 2014 ~ 1080p - YouTube

 

1-10. Imaginary affair / KOTOKO

 KOTOKO屈指の人気曲。もうこれはイントロのピアノのフレーズが流れた瞬間に「あ、これは名曲だ」と予感させるものがあるんですよね。バイオリンをフィーチャーした優しげなミドルバラードで、I'veの代名詞であるダンス/トランス系とは違い、ちょっとソロのKOTOKO(初期)っぽい曲なんだけど、暖かみを感じさせるオーガニック風なアレンジといい、優しく丁寧に紡がれるメロディといい、この系統の曲としてはちょっと非の打ち所がないですね。 

こなたよりかなたまで OP Imaginary Affair 高音質Ver - YouTube

 

1-11. eclipse / 川田まみ

 川田まみの中で1、2を争う代表曲で、誰もが認める名曲「IMMORAL」に続き、彼女の方向性を決定づけた曲。澄みきったシンセと滑らかな歌メロが織りなす世界観は、スピード感と力強さを感じさせつつも、スタイリッシュで上品。泳ぐように華麗に歌う川田まみのボーカルも最高の相性を魅せつけるかのよう。川田まみ × 中沢伴行という引退まで続く最強コンビの幕開けを告げる曲。 

I've in BUDOKAN 2005/ch18-eclipse - YouTube

 

1-12. bumpy-Jumpy! / KOTOKO

 中沢伴行尾崎武士(ギタリスト)の黄金コンビ作編曲。それだけにギターの目立つ速めの8ビートロック調の青春ソングで、特に勢いを持って突き進むサビの展開は必聴モノ。いかにも盛り上がりそうな仕掛けが多く、実際にライブでも活躍したらしい。電波ソングではないけどそれを通過した収穫というか、その辺りの冒険があったからこそここまで振り切った曲が出来たんじゃないかと思います。 

bumpy-Jumpy! KOTOKO - YouTube

 

1-13. See You ~小さな永遠~ -P.V ver.- / I've Special Unit

 原曲はKOTOKOMELLの2人が歌う最初期の楽曲で、それをKOTOKO川田まみMELL島みやえい子・MOMO・SHIHO詩月カオリという黄金期のメンバー7人によるユニットでセルフカバーした曲。感動を誘う大バラードでラストにピッタリではあるけど、ちょっとベタで大仰すぎるかな。PVもカップルの結婚式やプロポーズとかの映像が差し込まれるし、最後はシンガロングで大団円だし、綺麗すぎて聴いてると痒くなってきます。汚れててすいません。 

I'VE Special Unit - See You ~小さな永遠~ - YouTube


2-01. 美しく生きたい / MELL

 I've最古参の歌手であるMELLのボーカルデビュー曲で、「FUCK ME」と同等レベルで古い曲。しかしコアなファンにはずっと「MELLと言えばコレ」みたいな曲でもあり、MELL自身もとても大切にしていた重要なポジションの曲。軽いリズムトラックや単調なスネア連打、ポワポワっとしたシンセからは時代を感じずにはいられないけど、含蓄のあるメッセージ性が広がりを感じさせる曲調で強く響く様は感動的。 

[MELL] 美しく生きたい - YouTube

 

2-02. Collective / KOTOKO

 本作唯一の、そしてI've随一のマニアックソング。インダストリアルメタルにしか聴こえない打ち込みを多用したハードタッチで無機的なサウンド、そこに載せられる感情を排したようなシンセ、「ブックレットに載せられない汚さ」の歌詞など、いくならとことんまでいくぞという高瀬一矢の書き下ろし曲ならではの趣味と暴走具合が伺える名曲。インダストリアルリスナーが歓喜したという逸話があるとかないとか(ない)。I'veファン内でもダークソング枠の頂点として、かなり高い人気を博していたりします。 

KOTOKO - Collective - YouTube

 

2-03. Face of Fact / KOTOKO

 このベスト盤のための人気投票で(確か)第1位を獲得した曲。KOTOKOの代名詞的な曲でもあります。C.G mix節が炸裂したレトロでドラマチックなメロディや、FISH TONE(中坪淳彦)との共同編曲によるSFチックな奥行きのあるアレンジの絶妙な取り合わせが奇跡的なトランス。コンピ盤「LAMENT」収録版は歌い出しまでにカットされた部分があったけど、こちらは完全版。 

KOTOKO 『Face of Fact』 Full - YouTube

 

2-04. Velocity of sound / MOMO

 MOMO唯一のベスト選出曲。I've卒業後は弾き語り系のシンガーソングライターとして活動する彼女だけど、I'veでは案外オルタナティブというか、ちょっとマニアック系の曲を担当することも少なくなかったんですね。これも音数を絞り派手さを抑えたトランス系のサウンドがシリアスな空気を帯びており、それを凛とした歌声で歌いこなす姿がクールで格好いい。サビの「孤独な戦士」というフレーズも耳に残る隠れた名曲。

 MOMO - Velocity of Sound - YouTube

  

2-05. jihad / KOTOKO

 C.G mix作曲で、「Face of Fact」と同じシリーズ作品へのタイアップ曲。こちらは尾崎武士との共同アレンジゆえか、ギターもそれなりに活躍するバンドサウンド風だけど、「bumpy-Jumpy!」のようなカラッとした明るさではなく、畳みかけるような速いテンポとストリングス系の挿入による大仰なスケールを並行し、あらゆる顔を見せるシンガーKOTOKOの「格好良さ」を真正面から引き出している大名曲。 

BALDR SKY DIVE2 主題歌 jihad【高音質】 - YouTube

 

 2-06. IMMORAL / 川田まみ

 川田まみと言えば?とファンに問うと100人中70人はこの曲を答えるんじゃないかってくらいの代表曲(ちなみに残り30人は「eclipse」)。一段階完成度を上げたI'veのロック方面へのアプローチ、低空飛行のようなヒリついた疾走感、明るくも暗すぎもしない絶妙な温度感などが川田まみのボーカルによって奇跡的なバランスで融合。それまでの汎I've的な楽曲とは一味違う、後の川田まみの基盤となったと言っても過言ではない名曲。ソロ名義の1stやベスト盤にも収録されています。 

I've in BUDOKAN 2005/ch16-IMMORAL - YouTube

  

2-07. Around the mind / 島みやえい子

 島みやえい子唯一のベスト選出曲。ええっ!これだけ!?古い曲なだけあって前奏のちょっとしたラップに時代を感じるのだけど、基本的にはオリエンタル気味で切々とした雰囲気でまとめられた4つ打ち曲。えい子先生は最初から歌手として完成されており、こういう最初期の曲においても黄金期となんら変わりない表現力で堂々と自分の世界を打ち出しているのが凄い。

Eiko Shimamiya - Around the Mind - YouTube

  

2-08. HALLUCINO / KOTOKO

 バラードが始まった?と思わせて曲調がスイッチし、実は結構なテンポ感で進む曲。ブリブリとしたベースやビビッドなシンセの対比が若干フューチャーポップっぽい直球ダンスサウンド。イントロや間奏で活躍している「カカッ」「パキッ」と連続して鳴る硬質なギミックは"カスタネットの音"らしいけど、そのアクセントがかなりいい味出していて好みです。 

KOTOKO - HALLUCINO - YouTube

 

2-09. Leaf ticket / KOTOKO

 C.G mix作曲。特段インパクトが強い曲というわけではないけど、とりわけ歌詞が染み入るというか。「公園通り発幸福行きの小さなチケット」という一節から喚起される情景の鮮やかなことと言ったら。そういう日常のさりげなさ、何気ないストーリーを切り取ったようなアコースティック系の生バンド風の素朴なサウンドが気持ちいい曲。

KOTOKO Leaf ticket Full - YouTube

 

2-10. birthday eve / SHIHO

 SHIHO唯一のベスト選出曲。中期I'veを支えた彼女の代表的な曲であり、これもかなりの人気曲。ハネたシンセとリードベルのイントロ、典型的ダンスビート、コンパクトでキャッチーな歌メロ…これも間違いなく初期I'veを代表する名曲であり、ファンにとっては実家に帰ったような安心感がありますね(謎)。SHIHOの快活で柔らかい歌声がとてもマッチしてます。 

birthday eve - YouTube

 

2-11. Wing my Way / KOTOKO

 KOTOKOの代表曲。ってか代表曲たくさんあるんですけどね。彼女の人気を決定づけた曲の1つで、こちらが投票で1位に選ばれてもおかしくなかったくらい人気があると思います。タイアップとリンクさせた冒険や旅というテーマを正面から歌った曲で、歌詞やメロディからしてとことんまでにポジティブ。個人的にもKOTOKOを知ったきっかけの曲なので思い入れも強いです。 

KOTOKO:Wing My Way - YouTube

 

2-12. Fair Heaven / I've Special Unit

 多分だけどI'veの武道館ライブのために作られた曲で、チケットの特典のために入手困難だった曲。曲の良さというよりはCD収録が望まれたという意味でランクインしたのかな?いや曲もいいんですけど。どちらも励まし系の曲だけど、別れと旅立ちを示唆する「See You」よりはあまり大げさな感じがしないこちらの方が好きかな…。

 I've in BUDOKAN 2005/ch33-Fair Heaven - YouTube

 

2-13. Blaze a trail / 川田まみ

 本作の書き下ろし新曲。作曲は高瀬一矢。ソリッドに尖りまくったストイックなエレクトロニックロックサウンドや、リフ主体のAメロを経てサビで一気に4つ打ちになる解放感がめちゃくちゃ格好いい。川田まみの歌唱力や英語の発音などを含めた歌いっぷりなども本作収録曲と比較すると更に目覚ましく、I'veの成長と最新型のサウンドを刻み込んだ一曲。多分だけど、この曲が聴けるのはこのCDだけ。

【I've】Blaze a trail【川田まみ】 - ニコニコ動画

 

 

 総評として、割と妥当かつ優秀なベスト盤になっていると思います。リリース時点で数百曲はあったであろう膨大な資産からよくぞ形にできたなと。一般投票を募り、その結果に忠実に選出してあるので当然と言えば当然ではあるけど。それにしても、どちらのディスクも「I've最初期の原点の曲から始まり、I've Special Unitのバラードで締める」という流れになっているのは、あまりにも出来すぎた偶然(笑)。歌:KOTOKOや作曲:高瀬一矢の比率が高いのは、当時の核だったことや全体に占める割合を考えるとそれも必然と言えます。実際に名曲も多いし。

 ただ、通常のレビュー記事でも触れたように、収録曲の年代としては結構昔のものも多いけど、歌手に関しては黄金期のラインナップで固まっているので、ファンそれぞれの思い入れる部分によっては、やや不満な部分も出てくるかも。例えば、単発的なゲスト歌手はまだしも、KOTOKOが本格的にI'veの顔になる以前の時代にメインで歌っていたAKIの曲が一切収録されていないことや、有名なゲーム/アニメ「Kanon」「AIR」のテーマ曲「Last regrets」や「鳥の詩」などが見送られていることなどとか(余談ですが、これは人気投票で上位に入らなかったのではなく、裏事情があったのだと勝手に思っています)。あとは個人的な好みによる異論とか…まぁそんなこと言いだしたらきりがないんですけども。管理人としては、I'veへの参加率や貢献度から考えると島みやえい子が1曲だけなのはあまりにも少ないっていうのはあるかな。でも明らかに場違いな曲とか減らしたい曲というのもないし…難しい。

 しかし…改めて見ると、やはり壮観というか、本当に珠玉の名曲群という感じですね。管理人はブログで便宜上アニソンという単語を使うことも多いですが、もともとアニメもアニソンもそんなに沢山嗜まないし(本当)、(初期)I'veというのはアニソンではなく「ゲームソング」だという部分が重要だと思っています。すなわち、それはタイアップ先のPCゲーム文化と合わさった同時代性の強いものであり、特に90年代末~2000年代初頭のPCゲーム全盛時代、また初期のネット文化・オタク文化までも含めた「もう二度と来ないあの時代」への憧憬として、単純な楽曲の良さ以上にエバーグリーンな輝きを放っているものなのです。今となっては、I've黄金期の専属歌手のほとんどが既に卒業/引退しているので余計に。懐古趣味だと言われればそれまでですが(笑)、華々しいメジャー/アニソンI'veとは一味違う前身のような音楽で、北海道というある意味隔離された大地(環境)で生まれ育ち、叩き上げから成功を収めた唯一無二の音楽だからこそ、多くの人を惹きつけ、ブランドを築き、多方面に影響を与えたのだと思います。

 I'veの楽曲や関連CDが多すぎて(しかも入手困難品も多くて)どれから手を出せばいいか分からない…なんていう人も、これ1作あればとりあえず代表曲や名曲を幅広く楽しめてお勧めなんですが、今となってはこのベスト盤も入手困難品になっているというオチ。うーん残念。リストを見て楽しむのもまた一興ということで。通常のレビューでは書ききれなかったことを中心にひたすら殴り書きをした結果、なんだかやたら長い文章になってしまったけど、この辺で終わります。お付き合いありがとうございました。