MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Slick Idiot / Screwtinized

Screwtinized

Screwtinized

 

 KMFDMが1999年に(一時的に)解散した後、元メンバーのEn EschとGünter Shulzにより結成されたインダストリアルロックバンドの2ndアルバム(2004年)。

 

 今作も前作同様にポストKMFDMとでも言えそうな、小気味よい打ち込み、女性コーラス/ボーカル、Günter Schulzによるメタルギターという彼らなりの王道的なアプローチを展開。特にギターはゴリゴリのリフを刻んだりピロピロとソロで暴れ倒したりと大活躍で、その音を聴くとファンなら一発でGünter Shulzのそれと分かるほどの個性があり、バンドにとっても大きな武器になっていると再認識。そして今回は前作になかった要素として、ところどころでフュージョンR&B、トンクを思わせるアレンジやフレーズがみられたりと、ちょっと上品に聴こえる方向でバンドの幅をより広げようとする姿勢がみられます。どことなくKMFDMの「Money」「Angst」あたりをブラッシュアップさせたような雰囲気もあり、前作の単調さも多少払拭され、これはこれで結構良い。こうしてみると、Sascha Konietzkoによる新生KMFDMは更にヘヴィに進化を続ける一方で、Slick Idiotは過去のKMFDMをもう少し掘り下げているような違いを感じて興味深いかも。KMFDMほどの求心力があるかどうかは個人の好みになるし、それでも元々KMFDMリスナーだった人は自然と新生KMFDMの方を好むかもしれないけど、本作は本作としてなかなかの作品ではないかと。