MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Schulz "What Apology"

What Apology

What Apology

  • アーティスト:Schulz
  • Sudden Death
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 KMFDMの元ギタリスト、Slick Idiotの現ギタリスト/プログラマー・Günter Schulzによるソロプロジェクトのアルバム(2006年)。

 

 KMFDMが1999年に(一度)解散した後、中心人物の一人だったEn Eschと2人でSlick Idiotを結成し活動。その合間を縫ったお互いのソロ尽力期間中(?)にリリースされています。KMFDMには限られた期間の加入だったとはいえ、1990~1999年という音楽的な変革期・商業的な全盛期を支えた一人として、非常に重要な立ち位置にある人物でした。そんな彼のソロは、やはりというかお家芸のギターが縦横無尽に活躍という点では半分は想像通り。ただ思ったよりはKMFDMやSlick Idiotっぽさはないというか、ブリッジミュートのギター、8ビートのリズム、ノリのいい歌でかっ飛ばすという分かりやすいハードロックが展開。楽曲は2分台~5分弱で全11曲45分というコンパクトさもあって実に潔く、単調さを感じるよりも先に次へ次へと移行していくので聴き心地が途切れないところが良いです。キャリアもあり、バンドでは一部楽曲制作にも携わっていただけに実にこなれています。インダストリアルロックっぽさもほとんどないけど、中盤~終盤にかけてはかつてのMinistryのようなインダストリアルスラッシュ、かつてのKMFDMのようなフュージョン風、PIG風のアンビエントテクノなど、まぁ既視感の強い範疇ではあるけど軽いグラデーションで楽しませてくれたりも。現時点ではソロはこれ1作のみのようで、最近はこのソロで対バンツアーも行った昵懇のRaymond Wattsのサポートに終始しているようだけど、もし次回作があったら聴いてみたいですね。

 

 

 他のKMFDMメンバー(Sascha Konietzko、En Esch)のソロプロジェクト作品も過去に紹介記事を書いており、今回を機に文章を少し見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。