スロベニア出身の前衛音楽/インダストリアルユニットの3rdアルバム。
今作ではエレキギターやティンパニなどの導入、クラシカルな手法のパワーアップによるスケール感の増大と華やかな旋律によって、前作のアングラ色が一掃され、耳馴染みの良さや開放感を伴った王道をいくサウンドになっています。もちろん強力に打ち付けられるビートや鬼気迫るボーカル、圧倒されるほどのパワーや実験性などの特色は保たれたままに。お陰で全体の完成度は非常に高く、Queenのカバー「Geburt Einer Nation」、Opusというバンドのカバー「Leben Heisst Leben」や、本作を象徴する大名曲「Opus Dei」(これも同曲のカバー)、実質ラストのエンディングインスト「Great Seal」まで起承転結がハッキリとした構成で、流れるように聴き通せます。あまりマニアックなインダストリアルを得意としない管理人のようなタイプの人間でも、かなり刺さるものがありました。傑作と名高いだけあります。この手の音楽が好きなら、是非とも聴いておきたいところ。