ノルウェー出身のブラックメタル/インダストリアルメタルバンドの4thアルバム。
詳しいことは知らないけど、1989年に結成された老舗バンドで、元々はスラッシュ系のサウンドをやっており、途中からインダストリアルメタルのアプローチを取り入れたそう。で、多分このアルバムがその1作目。聴いてみるとこれがなかなか強烈で。ギチギチに密度を濃くした凶悪ギターリフと、ドタバタと暴れまわるドラムがグイグイと曲を引っ張っていく体育会系ブラックメタル。インダストリアル系のブラックメタルというと管理人はThe Kovenantくらいしか聴いたことがないけど、あんなに行儀良くはなくて全体的に瘴気が漂ってる感じ。Thirteenth ExileのようなテラーEBM/ダークエレクトロがメタル化したらこんな風になりそう。インダストリアルメタルと言っても打ち込みやデジタルがどうのこうのというタイプではなく、無機質なリズムトラックやギターリフのインパクト(とサンプリング)で轟音の壁を作るようなスタイルで、さすがに全体を通すと胃もたれしてくるんだけど、それでも下手なインダストリアルメタルでは太刀打ちできないパワーを感じます。特にPIG+Godfleshといったところの暗黒ドゥーム「Last Call」や、途中でエレクトロなリズムにスイッチする「Absolut Dunkel-Heit」は秀逸で、こういった曲でもっと緩急をつければ素晴らしいアルバムに成りえたかと。2010年に惜しくも解散したバンドですが、こりゃ他作品もチェックせねば。