MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

島みやえい子 / EIKO SHIMAMIYA PRODUCE 5TEARS

5TEARS

5TEARS

 

 I've出身シンガーソングライターによる企画盤(2011年)。

 

 同年6月にI'veを卒業した島みやえい子が、その約半年後にコミックマーケット81にて発売したミニアルバム(後に一般販売)。内容は、島みやえい子を中心に複数人のゲストボーカルや作家が集まり、主に島みやえい子が制作した楽曲をそれぞれで歌い持ち寄ったコンピレーション盤。歌い手はKOTOKOを筆頭に、「Angel Beats!」の劇中歌も担当したKey所属のkarutaや、島みやえい子の教え子らが参加。編曲作家はI'veの中坪淳彦や井内舞子、また北海道のレーベルの代表や札幌出身のロックバンド・sleepy.abの山内憲介らが参加し、故郷である北海道色も意識されています。1曲目「JUPITER ~2012~ K-Style」(KOTOKO)こそ、同名の有名な組曲(の一曲)の初期I've風ダンスカバーで驚かされるけど、他の曲は概ねかつてのシンガーソングライター・島みやえい子の世界を縮小再生産したようなもの。それこそ「ひぐらしのなく頃に」の系譜を少し(本当に少しだけ)思わせるような曲もあれば、木琴やオルガンやハーモニカで主構成された穏やかな曲も。ただ、島みやえい子がボーカルを執る曲の圧倒的な存在感を前にすると、正直な所やはり本人に全編歌ってほしかったという感想がまず出てきます。中には当時の当人の境遇と親和性の高そうな曲もあるので…。決して悪くはないしこれはこれで楽しめるのだけど、育成や顔見せも兼ねたような作品ゆえか、良くも悪くも小さくまとまり過ぎた小品というか。コストか納期か理由は不明だけど、1ミリも売る気のないジャケットが逆に清々しい。