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KOTOKO / UZU-MAKI

UZU-MAKI(初回限定盤)(DVD付)

UZU-MAKI(初回限定盤)(DVD付)

 

  I've専属(当時)ボーカリスト/シンガーソングライターの3rdアルバム。

 

 自身が初挑戦の油絵で描いたという渦巻きのジャケットが目を惹きます。この濁ったイラストが象徴するのは見た目そのまま「混沌」で、明るい曲や暗い曲を極端に行き来し、色んな表情を見せる彼女のごった煮状態な作風を表しているようです。本作は基本的には開放的な曲で構成された前作を引き継ぐ方向性ながらも、まんまKMFDMリスペクトなメタルリフから始まるインダストリアルなタイトル曲「UZU-MAKI」から始まり、自身最高のヒットシングルとなった伸びやかなメロディの名曲「being」へ徐々に盛り上げ、初期I'veっぽいリミックス曲で締めるという曲ごとのカラーや流れの良さが明快で、渦巻いている…という程ではないにしても、良いとこどりが出来ている感じ。過去のタイアップ曲や電波ソングなどに比べたらやはり全体的に少々地味めではあるけど、それは彼女がソロアルバムではそういった大衆的なイメージとは異なる「素の自分」を意図的に表現しているからでもあり、その追及も一旦ここで終わるので、彼女のキャリアにおいては一種の区切りとなった作品とも言えそうです。

 


Kotoko Being

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D'espairsRay / BORN

BORN

BORN

 

 5人組ヴィジュアル系ロックバンドのミニアルバム。

 

  「ダークと破壊」をテーマに掲げるバンドで、ゴシック&ヘヴィなサウンドにシャウトを織り交ぜる力強いボーカルが持ち味。ミニアルバムとしては2作目になり、内容は新曲2曲+リメイク3曲という構成。これより過去にリリースされた音源の多くの曲では、表現したい世界に実力や手法が追いついていなかったり、恨み節のようなボーカルも含め妙にゴテゴテした聴きづらさがあったりと、所謂「DIR EN GREY以降」でしかなかったけど、本作では出来の良い楽曲がピンポイントで選出されたことも含め、そのあたりが幾分解消され過去最高の出来だし、更なる飛躍を見せる次作フルアルバムへの橋渡しになっています。民族調の楽器、シンセ、鐘の音、LUNA SEASUGIZOが演奏したバイオリンなどを用いたいい意味での異物感が混ざるヘヴィロックは、まだまだインダストリアルと呼べる領域ではないにしても、光るものを感じさせます。ただ、中盤の曲にまたがる演劇的な台詞は、B級ホラー臭さがバンドの進む方向性に合わず蛇足だと思うので、思い切ってカットして欲しかった。

 

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島みやえい子 / O

First Full Album O[オー](初回限定盤)(DVD付)

First Full Album O[オー](初回限定盤)(DVD付)

 

  I've専属(当時)ボーカリスト/シンガーソングライターの1stアルバム。

 

 満を持した1stフルアルバムにして、この堂々たる風格と完成度。他の専属歌手とはアーティストとしてのスタートラインが違うとはいえ、I'veサウンドと二人三脚で方向性を模索する地点をとうに過ぎ去り、島みやえい子という存在を何の迷いも衒いもなく強固に根を下ろすことに成功しています。多様なコーラスや民族楽器を用いて陰と陽を行き交うオリエンタルなシンセポップは、メジャーデビュー作でありながら以降の彼女の形の完成を早くも見せた「ULYSSES」から一切のブレがなく、更に大陸的な詞世界と噛み合って深みとスケールを増大。過去曲の再収録/リミックスを含むほとんどの曲は5分半~6分超のミディアム~スローというラインナップながら、耳への重たさもなくどんどん引き込まれてしまいます。唯一のアニメタイアップ曲「ひぐらしのなく頃に」におけるダークなインダストリアルのアプローチも秀逸。この作品はアニソンに分類されるだろうけど、決してアニソン然としてはいない。かといって一般的なI'veサウンドのイメージを踏襲したような曲も少ない。しかし一人の女性アーティストとして別格の存在感を放つ、非常に稀有な作品だと思います。あえて不満を挙げるなら、ジャケットが少し怖いところか(笑)。

 


島みやえい子 ひぐらしのなく頃に PV

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Crash / The Massive Crush

The Massive Crush

The Massive Crush

 

 韓国出身のスラッシュメタルバンドの5thアルバム。

 

 前作で派手にサンプリング等を導入しインダストリアルメタル化した彼ら。しかし本作ではそういった息吹は大部分で一掃。エレクトロニックなエレメントは楽曲の一部で思い出したように少し感じ取れるくらいで、基本線を本来のスラッシュメタルに軌道修正しています。しかも1曲の展開が込み入っていた前々作に比べると、かなりスピードを重視したスラッシーな楽曲の連打が爽快の一言で、まるで生音Ministry。インダストリアル化はあくまで寄り道、もう吹っ切れたぜ!と言わんばかりの姿勢だし、実際のところ彼らは次作から完全にその要素を無くしているようです。アルバムの完成度そのものは間違いないけど、終盤のギターインスト以降にボーナストラック的に収録された楽曲が、ラップを導入したClawfingerばりのカバー曲「니가 진짜로 원하는게 뭐야」を筆頭に、どれも前作の成果をつぎ込んだかのようなインダストリアルメタルでかなり良かっただけに、ちょっぴり複雑だったり。

 

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ジャイアニズム宣言(仮)さんに乗っ取られました

SKINNY PUPPY

 

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元ネタ:「ジャイアニズム宣言(仮)」さん(現在閉鎖)

 

解説:(2日半遅れの)エイプリルフールネタ。かつて管理人が多大な影響を受けたインダストリアル系のCDレビューサイト「ジャイアニズム宣言(仮)」(管理人:TCRさん)(以下「ジャイ宣」)へのオマージュとして、自分が書いた4/2の記事の文章を自分なりにジャイ宣さん風にアレンジし、うっすらと脳内に記憶しているジャイ宣さん風レイアウトをHTMLで再現し載せたものです。※ジャイ宣さんのレビューそのもののコピーペースト等ではありません。

Skinny Puppy / Last Rights

Last Rights

Last Rights

 

 カナダ出身のインダストリアル/EBMユニットの7thアルバム(1992年)。

 

 彼らが標榜していた音楽性の一つの到達点である4th「VIVIsect VI」や6th「Too Dark Park」とはまた異なる方向で、彼らの美学が究められた作品。一聴して耳に入るのはシンセオルガンやシンセストリングスの多重演奏で、それが荘厳な奥行きや叙情性を獲得するだけでなく、表裏一体で不協和音やノイズとしても牙を剥く。その反動が効果的に作用する不気味な音像や、これまでに築いたインダストリアルの実験/攻撃性、地鳴りのようなダークアンビエント音響などが濁流となって聴く者を圧倒します。その切迫感たるや、まるで静かに世界が闇に飲まれていくような、または得体の知れない力で世界が崩壊していくような、まぁどっちにしても滅ぶんですけど(笑)、さしずめ地獄の交響曲。全体的にローテンポなのも逆に凄みが効いています。後半のバラバラに刻まれたような実験曲の存在感も含め、インダストリアル/EBMの枠だけでは語れない領域までぶっ飛んでしまっている印象すらあります。多くのEBMアーティストがピークアウトしていった当時の時代の流れにおいて、これほどの作品を生み出して更なる高みに上ったのは流石としか言いようがありません。

   

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CELLCODE / 「Clue」「Aim」

Clue

Clue

 
Aim

Aim

 

 元PIERROT/現Angeloのボーカリスト キリトによるCELLCODE名義での楽曲。

 

 彼が同時期に発足した総合ソロアートワークプロジェクトのWEB用に作られた楽曲。元々はBGMを想定していた音源を制作する過程で、ちゃんとした楽曲として完成させるよう予定を変更しリリースとなった模様。すべての演奏やプログラミングを自身が担当するというパーソナルな性質を持つけど、打ち込みサウンドの追求というよりはAngeloのデモ音源のようというか(「MICRO WAVE SLIDER」に似てる気もする)、発展途上な作品という感じ。もっとマニアックな方向で完成度を高めてアルバムでも作ってくれれば、ヴィジュアル系インダストリアルに一石を投じるものになり得たかもと思うと惜しい気もするけど、宣伝なし&配信のみでひっそりリリースされていたり、どこまでも「キリト節」から逃れられない曲調やボーカル/メロディの在り方なんかをみるに、あくまでコアファン向けの音源であり、そういうのをむしろ望むところだと思える人が聴くものなんだろうなと。彼の歌が打ち込みサウンドに乗るのは案外珍しいので(藤井麻輝のリミックスくらい)興味のあるファンは聴いてみては。

 


CELLCODE - Aim