MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

TVアニメ 「けいおん!」 15周年記念 【放課後ティータイム&キャラソンCDカタログ】

出典:けいおん!! - 作品情報 | 京都アニメーションホームページ

 

 なんと今年でTVアニメ「けいおん!」の放映開始から15年が経つようです。ええー!せいぜい10年前くらいかと思ってた…時が経つのは早い。

 そんなわけで、それをひとり勝手に記念し、放課後ティータイムとしてリリースされた主題歌と劇中歌、各登場キャラクターのイメージソングなど主要~関連楽曲が収録されたCD作品をカタログ的に一挙プチ紹介しようと思います。もの凄く長くなってしまったので、ティータイムのお供などに少しずつ読んでいただけると幸いです。前置きは手短にこんなところで。では、どうぞ!

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自分語りとFANTASTIC◇CIRCUS "TENSEISM BEST SINGLES 【2001-2004】"

【Amazon.co.jp限定】TENSEISM BEST SINGLES [2001-2004] (通常盤) (メガジャケ付 ※別絵柄)

 

 90年代から00年代前半にかけて活動していた5人組ヴィジュアル系ロックバンド・FANATIC◇CRISISの結成30周年に合わせた "転生" の復活劇から約1年。音楽活動を続けていたメンバー3名による【FANTASTIC◇CIRCUS】としての本格的な活動が再び実現し、後期のシングル再録ベスト盤のリリースやライブイベントなどが実施されています。

 前期ベスト盤の感想ついでに、普段のブログの番外編みたいな感じで「とにかく思い入れが強いバンドで昔はこんなにも聴いていました」と鼻息を荒くしながらFANATIC◇CRISIS愛を炸裂させた身としては、今回の再録ベスト盤に触れた感想もまたつらつらと自己満足的に書き記しておこうと思います。よろしければお付き合い下さい。

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Devin Townsend Project "Epicloud"

Epicloud

Epicloud

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 カナダ出身のヘヴィメタルシーンのマルチミュージシャン/プロデューサー・Devin Townsendのソロ通算15作目、Devin Townsend Project名義での5作目(2012年)。

 

 4部作構想とそれを実現するためのバンドとして新たに立ち上げられた本プロジェクトも、4部作の完成とその再現ライブをもって完走。しかしその後も同じ名義での活動継続を宣言し、僅か1年というインターバルでリリースされたのが本作。いやほんと創作意欲凄すぎやしませんか。そして内容も、過去4作のどれにも似ていない…というよりも、それらの要素を掬い上げ、新たなテーマで束ねることでまた一味違う世界観を完成させたような趣。ゴスペルクワイアの幕開けが示すように、今作では11人からなる合唱隊をフィーチャー。ここぞという部分以外ではそこまで大目立ちはしないけど、多重のコーラスワークとキーボードによって分厚く固められたヘヴィサウンドを全体の肝としています。メタリックな攻撃性や刺々しさはやや抑え気味なミキシングだけど、決してバンド感が希薄なわけではなく、Devin Townsendの十八番的な──ちょっと初期の頃を彷彿とさせるような──メロディックなヘヴィナンバーや軽快なロックナンバーも存在し、その中には09年作「Addicted」ぶりに参加した元The GatheringのAnneke van Giersbergenとともに男女ダブルボーカルを披露するパートも。逆にアコギやシンセを重用したアンビエント的な静寂曲、00年作「Physicist」収録の「Kingdom」の再録を始めとしたプログレッシブ風の楽曲などもあり起伏豊かで、曲間をシームレスに繋ぎ流れるように展開していきます。大仰でありながらキャッチーさに意識が配られ、特段長い楽曲もなく聴きやすくまとまっており、その完成度は流石の一言。壮大な "Epic" 、宇宙スケールの "Cloud" 、ヘヴィな "Loud" といった意味を重ねた造語タイトルも実に的を射た充実の一作。

 

 

 今回の記事に合わせ、Devin Townsendが結成し2007年まで活動していたエクストリームメタルバンド・Strapping Young Ladの3作目の紹介記事の文章を少々見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。

 

Stone Sour "Audio Secrecy"

Audio Secrecy + DVD

Audio Secrecy + DVD

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 SlipknotのCorey TaylorとJim Rootを擁するオルタナティブメタル/ハードロックバンドの3rdアルバム(2010年)。

 

 Slipknotの休止と入れ替わり活動再開、前作と同じメンバー・同じプロデューサー、約4年ぶり…と、条件で言えば前作と全く同じ形。しかしそれでも各人がしっかりと音楽活動を通じた成長を続け、前作の成功やその後の精力的なツアー/フェスの開催・参加など、Stone Sourとしても着実に階段を駆け上がっており、その成果が注がれた一作として非常に良質な出来かなと。Slipknotでのマスクを外した端正なCorey Taylorの素顔のように(えっ)端正なポストグランジ/ハードロックを今作でも貫いており、決して目新しいことはしていないとはいえ、彼らの中での表現として、新たな扉をいくつも開いて、より広く聴き手に浸透する楽曲やサウンドを達成しています。クリーンギターが活躍する「Say You'll Haunt Me」とか夕日が反射する水平線を思わせるようなスケールのアメリカンロックバラード「Hesitate」なんかは「うおお!」って思ったし、Slipknotをチラ見せするような激しめの曲も、ご愛敬というか余裕の中でやっている感じで、アコースティックバラードも大曲的な展開を見せつけるラスト曲もしっかり手の内、確信に満ち溢れていますね。Corey Taylorの歌とサウンドが乖離せず溶け合うように手を取り、一体感を増して(激しさとか速さという意味ではない)勢いにも乗っているのがありありと伝わるというか。流石でした。なお、本作は2010年初めに急逝したSlipknotのベーシスト・Paul Grayに捧げたアルバムでもあるとのこと。

 

 

 というわけで、聴いてみました彼らの3作目。恐らく初聴きだったと思うけど、いやー、とても良かった。今さらながらStone Sourに目覚めちゃったというか。これ以降の彼らの作品もゆっくりと追いかけてみようと思います。

 今回の更新に合わせ、Slipknotの4作目の紹介記事の文章を少し見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。なんかStone Sourと交互に聴いたりすると印象も変わるというか、より楽しめる気も?

 

Stone Sour "Stone Sour" "Come What(ever) May"

STONE SOUR

STONE SOUR

  • アーティスト:STONE SOUR
  • Roadrunner Records
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 Slipknotのボーカリスト・Corey Taylorとギタリスト・James Rootを擁するオルタナティブメタル/ハードロックバンドの1stアルバム(2002年)。

 

 Corey TaylorとJames RootがSlipknot加入前にやっていたバンドで、2000年に復活。過去にデモテープの制作歴はあったものの、本格的なアルバムは初となる本作がSlipknotと同じRoadrunner Recordsからリリースとあいなりました。最初はてっきり新しく始められたサイドプロジェクトだと思っており、いくらSlipknotが好きでもそこまで聴く余裕はあるだろうか…とか思っていたところたまたま「Bother」を耳にし、熱くて渋いアコースティックバラードという意外性とSlipknotとは異なる魅力を放つCorey Taylorの歌声にやられ、アルバムに興味を持ったという次第だったかなと。楽曲は概ね安定感のあるへヴィなロック、という感じで(雑だな)サビでメロディを聴かす曲、逆にサビはシャウトを叩き込む曲など織り交ぜながら進行。演奏面ではあまりエゴを出していないというか、あくまでもボーカルに寄り添いながら淡々と盛り立てていく形。1作目にありがちな粗さ・若さみたいなものは薄く、ある意味余裕すらも感じられるので、ストレートに言うとSlipknotとは一味違う "Corey Taylorの歌声" を聴かせるために設計されたようなアルバムというか。それ以上でも以下でもなく。当時はまだSlipknotではメロディアスな部分ってそんなに押し出されてはいなかったしアリではあるんだけど、そうなってくると曲数の多さが気になってくる…もうちょっと短くまとまっていれば(欲を言えば「Bother」みたいな曲もあと1、2曲あれば)もっと好きになれたかも。あ、ジャケットは好みです。すごく。

 

 

 

Come Whatever May

Come What(ever) May

  • アーティスト:Stone Sour
  • Roadrunner Records
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 SlipknotのCorey TaylorとJim Rootを擁するオルタナティブメタル/ハードロックバンドの2ndアルバム(2006年)。

 

 Slipknotの2005年末の休止を機に再々始動、翌年に1作目より4年ぶりとなる本作がリリース。当たり前だけどSlipknotと兼任するメンバーが要のためかそれぞれのバンドの休止と再開が交互に行われる形に。初期メンバーだったドラマーが家族の事情により脱退、後任はSoulflyなどで活動歴があり後にMinistryでも叩くRoy Mayorga。前作を踏襲しながらも楽曲の幅や拡げ方、聴かせ方などに工夫や進化がみられる一作で、現在においても彼らの中でセールス面や人気でも上位に位置するのだとか。歌モノとしての強化にはまず耳がいくところで、特に弾数の増えたバラードはどれも珠玉と言え、情感たっぷりに歌い上げる「Sillyworld」、決して派手ではないが沁みるフレーズを繰り返し熱を上げていく最大の人気曲「Through Glass」、締めに相応しいピアノバラード「Zzyzx Rd.」とどれもタイプが違い、かつシングル化されているというのも力の入り様が見て取れ、むしろ彼らの最大の強みはここではと思わせるほど。ロックしてる曲でも、時折Slipknotを若干彷彿とさせるシャウトが聴こえる瞬間はあれど、あくまでも聴きやすさを重視したバランスでまとめられており、かつ以前より練られたアプローチが多く飽きさせない。軽い挨拶に過ぎなかったような前作にてもうちょっと深掘りしてほしかった部分がしっかり抑えられた印象で、いよいよ本領を発揮してきた充実作と言えそう。もちろんその人の好みにもよるけど、Slipknotと比較すると激しくないという理由だけで捨て置くのは勿体ない優れたアルバムだと思います。何よりCorey Taylorの歌が素晴らしすぎるんだ…!

 

 

 前回記事に引き続きSlipknotを聴いていたらStone Sourの方も久しぶりに聴きたくなって、いざ聴いてみたら(主に2ndが)いいじゃん…!となってブログに感想を書いてみた次第です。リアルタイムで聴いていたときはSlipknot寄りだったし、もうちょっと激しめの音楽を好んで開拓していたので多少の物足りなさも感じたような覚えがあるのだけど(↑自分のことじゃねーか)、今聴くと…いやこっちも全然いいな!と手のひらくるりん。年月を経たせいなのかな。

 しかし管理人はStone Sourに関しては3作目以降はほぼ未聴だったり。今思うとSlipknotもそうだけど彼らのリリースペースが空いたことと管理人の興味がインダストリアルロックにどっぷりになった時期が重なったせいかも。というわけで、近々ちゃんと聴いてみようかな~と考えつつ、過去に書いたSlipknotの3作目の紹介記事の文章を見直したので、よろしければ合わせてご覧ください。