UK出身のRaymond Wattsによるインダストリアルプロジェクトの4thアルバム。
後にTrent ReznorのNothing Recordsよりリリースされ、USデビューも果たしたという記念すべきアルバム。インダストリアルメタルの全盛の影響か、PIGの十八番である壮大なオーケストレーションに今まで以上にヘヴィさを増したメタルギターが融合。更に、今までは割とどこかシュールに明るかったり、ユニークな手法を用いて賑やかな展開を見せるような要素も強かったけど、今回はそれらが削ぎ落とされ暗黒&耽美な世界を描く一方向へ終始し、過去に例のないインダストリアル/ダークアンビエントな楽曲の存在もあり、ダークサイドな持ち味を際立たせています。そのお陰で全体のまとまりは良くなり、意外とPIG独自のキャッチーな感触もパワーアップ。「Hamstrung On The Highway」の高速メタルリフや、「The Sick」におけるスローながらも一聴で惹き込まれるダークネスなメロディなど、そこかしこにフックが。Foetusの影響が特に濃かった以前までとはまた角度の違う魅力、そして凡百のアメリカ型インダストリアルロックでは決して太刀打ちできないオリジナリティと完成度が実を結んだ名盤。また、SCHAFTでの活動の縁のせいか「Analgesia」ではBUCK-TICKの今井寿がギターで参加していたりもします。