ドイツ出身のインダストリアル/EBMユニットの1stアルバム(1992年)。
彼らは1988年結成だけど、中心人物であるAndreas Tomalla(別名・Talla 2XLC)は80年代初頭からプレEBMなテクノ/シンセポップユニット・Moskwa TVなど複数のグループで活動していたり、ヨーロッパの重要なインダストリアル/EBMレーベルとなるZoth Ommog Recordsを1989年に設立する人物。また、残り2人のメンバーはBigod 20解散後にテクノ系のレーベル・Perlon Recordsを設立するなど、このユニットの前後にもドイツ周辺の電子音楽界での立派な活動歴を有しています。なので俯瞰して見てみると、このユニットは彼らの「長い音楽活動の中で、EBMに手を出していた時期(証)」とも言えそう。期間も短いし。…とまぁ前置きが長くなったけど、この背景を知っていれば、全体的なサウンドのクオリティの高さや、シングル曲など一部の楽曲に微かに残るユーロディスコの雰囲気などに納得感が出てきます。あとは、ハンマーを振り下ろす男たちのジャケットそのままに低音やガチガチした打撃音が重視されアクセントになっている部分もEBMファンの心をくすぐるポイントか。ただ、ベルギーのEBMの先駆者・Front 242のJean-Luc De Meyerをゲストに迎えた先行シングル「The Bog」のクラブヒットの勢いのままに本作は制作されたらしく、それも頷けるFront 242フォロワーっぷりが全体を強く支配しており、彼らの背景を知らない/興味のない人には「よくあるオールドスクールなEBM」で印象が止まっちゃう恐れも。でも当時としてはそういうジャンルが盛んで、多少似通っていようと内容が良ければ求められていたのではないかと思うし、本作はそんな時代を想像させてくれる良質な一枚だと思います。
今回の記事に合わせ、過去に書いた彼らの2ndアルバムの紹介記事の文章を少々見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。
