LUNA SEAのギタリスト・SUGIZOのリミックスアルバム(2007年)。
LUNA SEA終幕後のソロ活動(2001~2003年)の楽曲をリミックスした作品で、2ndアルバム『C:LEAR』とアルバム未収録だったシングル「SUPER LOVE」から半々くらいのバランスで選曲。『C:LEAR』以降、The FLAREというユニットを結成しそちらに力を入れていたため、SUGIZO名義のリリース自体が約4年ぶり。それも自身が発足したレーベル「Sephirot」の第1弾作品ということもあり、ソロの新たなスタートを切った作品と言えるのかも。タイトルは“SPIRITUAL”と“RISE”を掛け合わせた造語で、そのまま“スピリチュアル”や“サイケデリック”(音楽的な意味に限定せず、精神や宇宙に通ずるニュアンス)をキーワードとし、より広がりや深みのある音世界を目指した格好になっています。タイトル曲でありOPを飾る「SPIRITUARISE」を手掛けたJuno Reactorを筆頭に、国内からもSine6やElectrical LOVERSなどトランス/エレクトロニカ志向のミュージシャン/DJが集結。セルフリミックス2曲も含め、トランス、テクノ、ダブ、アンビエントなど、前リミックス作ともまた一味違う表情を見せる、幻想的かつ重厚なダンス/チルアウトトラックが目白押し。この時期の原曲は比較的歌モノが多かっただけに、良い意味で面影を完全無視するような豹変ぶりだけど、全体をSUGIZO自身が音頭を取った成果なのか、導線の描き方に優れていてマニアックだけどちゃんと聴きやすい。本作に限らない話だけど、彼の一貫した強固な音楽性や美学がしっかりと反映され、オリジナルアルバムとなんら質量の変わらない稀有なリミックス作品として聴けるし、また以降の彼のソロ活動の方向性を決定づけた部分も大きいことは明らかで、密かに重要な意味を持つ一枚かとも思います。
過去に書いたSUGIZOの作品の紹介記事はこちらから。比較的最近書いた『REPLICANTS』以外のものは、今回の記事に合わせ文章を少々見直していますので、よろしければ合わせてご覧ください。
その他、LUNA SEAやメンバーにまつわる作品の紹介記事もいくつか書いているので、よろしければ合わせてご覧ください。
