MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Sister Machine Gun 『The Torture Technique』

Torture Technique

Torture Technique

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 アメリカ・シカゴ出身のインダストリアルロックバンドの2ndアルバム(1994年)。

 

 数名のメンバーの入れ替えを経て約2年ぶりのリリース。本作で共同プロデュースを務めるのは、初期から付き合いのあった同郷のEBMグループ・Die Warzauのメンバー。だからといって別にDie Warzauのようなファンキーなダンス/EBMに染まったりはせず、順当に音楽性を進めています。前作があまりにもNine Inch Nails的かつ中庸なインダストリアルロックだったし、今回もそこまで方向性は大きくは変わらないのだけど、NIN臭さが(1~2曲を残して)かなり減り、その分初期KMFDMっぽさがアップしながらも(えっ)、完全な真似事ではなく、その影響や作風を今(当時)なりのロックアレンジで料理したような感じ。あくまでも音は重ねすぎず、実験性の強い部分を拡張/誇張し、ビートを強調したポストEBM的な曲構成を、適度なギターの存在感で聴かせる。この辺りのバランスの組み立て方にかなり試行錯誤が見えるけど、結果として結構面白いアルバムになっていると思います。決して分かりやすいセールスポイントはないのだけど、その煮え切らなさや妙に入り組んだ楽器とサンプルの組み合わせなんかが、この手のジャンルならではの味わいをある意味的確に表しているような気がして。ほとんどの楽曲の終わりにアンビエント調もしくは即興ノイズのようなパートを設け、持って回ったように楽曲間を繋いでいくという意味があるのかないのかよく分からんこだわりもそれはそれで良し。

 

 

 今回の記事に合わせ、過去に書いた彼らの1stアルバムの紹介記事の文章を少々見直しているので、よろしければ合わせてご覧ください。

 

 

 それと、今回の記事とは関係ないですが、2022年の年末に書いた振り返り記事を、2024年や2023年のフォーマットに合わせるよう若干の修正をしているので、お時間があればチラッと覗いてみて下さい。ついでに、2024年・2023年の記事の方も「サムネイルに入れたけど10選には入れなかった次点作品」の羅列をこっそり追加しちゃったり。