ウェールズ出身のポストパンクバンドの1stアルバム(1980年)。
活動期間はわずか3年、EP2枚にフルアルバム1枚を残し解散と短命に終わったものの、一部では今に至るまで非常に人気や評価が高いらしいバンド。理由の一つにはその特徴的な音楽性というのがありそうで、雑誌の付録として付属していたものを改造したというチープな自作リズムボックスが本当に最低限のリズムをチッタカチッタカと刻むだけだし、兄弟の奏者によるギターとベースがこれまた単調で短いフレーズの集合体のようなミニマルな演奏を淡々とこなすだけと、基本はスカスカで隙間だらけ。しかも楽曲の導入や終わりなどに凝った演出などがほとんど入らないため、パッと始まってパッと終わっていくし、その上で1曲1曲も短い。というように、演奏だけでなく曲構成まであらゆる要素を極限まで削ったシンプルの極みをいくサウンドがとにかくインパクト大。しかし楽曲自体は実のところ牧歌的なポップさを擁していて、Alison Stattonの素人臭い脱力系のボーカルと安っぽいオルガンの音色がそれらを可視化しつつも素朴な味わいを付与することで、どこか柔らかで温かみのある雰囲気で全体を包み込む。一つ一つの要素が剥き出しで嫌でも際立っている上に、無機質さと親しみやすさが絶妙な捻じれ状態で結びついて生み出されるアンサンブルは、他ではほとんどお目にかかれないくらいに独創的だし、どこか奇妙なのに聴いていて穏やかな気分に浸れる一方で、逆説的に下手なロック/パンクバンドよりもよほど刺激的。総じて、割と何でもありなニューウェイブ/ポストパンク界隈の中でも更に異質な存在感を放っているのも、NirvanaのKurt Cobainを始め幾らかの著名なアーティストがお気に入りや影響元に挙げているのも納得の一枚。個人的にも初見でかなり驚かされたし、長い目で見ればこの先もずっとずっと愛聴していくような予感がしています。
まったく関係ないんだけど、彼らを初めて聴いたときになんとなくrumania montevideoを思い出しました。ほらえーと、アニメ「名探偵コナン」のED曲でちょっとだけヒットしたビーイング系列のバンドで…ボーカルの女性が歌いながらドラムも叩くという珍しいスタイルでちょっと目立っていたあの…覚えてますかね?当時から地味にけっこう(矛盾)好きで今もたまに聴くんですよね。いや、音楽的には似ても似つかないんだけど、ボーカルの妙に癖になるヘタウマ具合というか、その辺がどことなく共通している感じがして。どうでしょう?興味のある方は良かったら聴き比べてみてください。
