US/カリフォルニア出身のニューメタル/オルタナティブメタルバンドの1stアルバム(1994年)。
ニューメタルというジャンルを切り開いた説明不要の名盤。後に数々の著名なニューメタルバンド/作品を手掛け名を馳せることになるプロデューサー・Ross Robinsonと共に制作された本作は、軋むような不気味な音と叩きつけるような重低音を行き来するギター、地鳴りと聴き分けがつかないくらい下げられたチューニングとスラップで打楽器のようにバチバチと音を立てるベース、そしてヒップホップ由来のノリやタメでダイナミズムを生み出すドラムによって、他に類を見ないヘヴィサウンドを作り上げました。更にそれがボーカリスト・Jonathan Davisの自己のトラウマや壮絶な経験を赤裸々にする詞や、時に子供のように、錯乱したように、吼えるように、泣き叫ぶように…と人格が入れ替わるような歌によってドス黒い闇を纏い、確固たる説得力と革新性を獲得することで唯一無二の作品として完成に至ります。ライブで定番のオープニング曲「Blind」、逆に曲の途中でJonathan Davisが膝から崩れ落ちるような嗚咽を撒き散らすほどに絶望を込めた(そのためライブでは封印された)ラスト曲「Daddy」、Jonathan Davisの得意とするバグパイプの旋律と童謡の引用詞が印象的なグラミー賞ノミネート曲「Shoots And Ladders」といったバンドの心臓のような重要曲の重み、また不穏なジャケも含めたトータルでの衝撃は決して薄れることはなく、バンドの代名詞的な存在として絶対に外せない一枚。後に少しずつ闇を晴らしながら音楽性を広げていくのだけど、それだけに本作は唯一無二であり、彼らが世に出るための足掛かりとしてこれ以上ない価値を提示した作品と言えます。
US/カリフォルニア出身のニューメタル/オルタナティブメタルバンドの2ndアルバム(1996年)。
最終的には1,000万枚以上売り上げることになる前作が口コミを中心にじわじわと売れていく中で早くも届けられた2作目。基本的には順当に前作を踏襲したような感触で、そこには前作と同じプロデューサー&スタジオという環境や過密なライブスケジュールの中での制作といった事情がありそう。とは言え限られた時間や手段という枠内で手を尽くし、比較的キャッチーに聴けるパートの増加、躁鬱を行き来するようなダイナミックなサウンドの強化、Deftonesのボーカリスト・Chino Morenoを招いたヒップホップのカバー曲など表現の幅を拡大。一方で、千鳥足で近づいてくるその裏に刃物を隠し持つかのようなバンドが纏う狂気や闇の濃度を薄れさせることなく両立させ、その特性を噛み砕きながらより広い層へアピールできる発展を果たした一作と言えます。後にボーカリスト・Jonathan Davisは詰め切れなかったせいで不満の残るアルバムだと公言しているけど、当時としてはシーンに求められた需要に応える形になったのかビルボード3位という大成功を収め、現在でも彼らの最高傑作として支持する人も多いのだとか。まとまりや間口の広さを考えると頷ける話だし、近しいジャンルやバンドへの多大な余波、あるいは後進のバンドやシーンへの影響の大きさからも、本作がニューメタルの金字塔という評価はまず間違いないかと。
突然のKorn紹介記事でした。管理人はミーハー的に彼らが好きで浅く広くチェックしているけど、特に初期はやっぱり世代ということもあるし、初めて聴いたときに強い衝撃を受けたせいもあって思い入れもひとしおなので、書いていて楽しかったです。以前に別の記事で「ニューメタル=地面にめり込みそうなくらい重たくした音をじっくりと鳴らしていく」みたいなイメージがあると書いたけど、それはもうほとんど全てKornの印象と影響だし、それ以来別のニューメタルバンドを聴いてもKornと比べてどうか、と基準や物差しとして考える癖がついてしまったという。たぶんこれ一生抜けない。
SlipknotやLinkin Parkと違ってインダストリアルメタルと紐づけて語られることは見たことがないバンドではあるけど、ちょっと前にKevin Martin(The Bugなどで活動するプロデューサー/ミュージシャンで、Justin Broadrickとの合同での活動も多数)がKornにGodfleshの影響がみられるという発言をしているのを何かの記事で目にしたんですね。他にもっと分かりやすくトレースしたようなフォロワーも沢山いることを考えるとちょっと意外というか、それまでKornとGodfleshを結びつけたことがなかったので、それを意識しながら聴き返してみたら、なんか分かるかも、と。初期のKornからじめじめとした湿り気や人間臭さを徹底的に抜いたら、Godflesh…というよりGodやIce(Kevin MartinとJustin Broadrickらによるプロジェクトバンド)みたいになりそうだなと。あの無常で荒涼としたダブ/ヒップホップのサウンド感/グルーヴと、Kornのバグパイプを思い起こさせるノイジーなサックスの音色はちょっと重なるところがあるかも。例えるとKornが精神を病んだ通り魔だとしたら、GodやIceはその人が感情なくうごめくゾンビになってしまったような…って余計分かりにくいか。
まぁ実際は的外れな解釈かもしれないし、Kornが実際にどれほどの影響を受けているかは定かではないけど、やっぱり個人的に興味深い視点ではあったし、ついでに3作目以降も軽く意識しながらゆっくり聴き返してみようかな~と思っている今日この頃です。

