MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

KMFDM "What Do You Know Deutschland?"

What Do You Know Deutschland

What Do You Know Deutschland

  • アーティスト:KMFDM
  • Metropolis
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 ドイツ出身のインダストリアルバンドの1stアルバム(1986年)。ちなみにバンド名は「Kein Mehrheit Furh Die Mitleid」(大衆に情け無用)の略。

 

 この界隈の先駆者であり、今日まで活動を続ける大御所・KMFDMの記念すべき一作目。元々は7曲入りの限定生産レコードで、翌年に別のレーベルからCD化した際にシングル曲などの大幅な楽曲追加やジャケットの一新が行われたようです。彼らがアメリカ進出した際に広く流通したWax Trax!盤もそれがベース。そうして実質的な完成を見たこの1stアルバム、楽曲の出来はまだまだまちまちといった感じ。「Kickin' Ass」やそのままSOFT BALLETが歌えそうな「Itchy Bitchy」など、シングル曲を中心としたアグレッシブな曲なんかはRaymond Wattsの若くも荒っぽい歌力もあって結構格好いいし、全体的に音も硬めで好みなんだけど、チープで簡素なビートに終始した曲も多くそこは退屈さが先行。実験性が強いせいなのか、ただ単に自分が理解できないのをそう感じているだけなのかはよく分からないけど(オイ)、そもそもが実験音楽を明確に展開していたプレデビュー作「Opium」とはやっぱり違って、それをEBMへ落とし込む上での試行錯誤が強く出ているような印象。なんでも主要メンバー・En Eschが加入する前の楽曲も多いみたいで、さもありなんという感じ。挑発的なタイトル(?)に反してそういった地味さが勝る一作。ただこの時点で、特に初期の彼らの特色でもあったダブ/レゲエの要素があったり、ギターやサンプリングを駆使していたりと、その先見性がしっかりと確認できます。

 

 

 前回の記事で紹介した「Extra Vol. 1」が初期KMFDMのコンピレーションという内容だったんですが、そもそもその肝心の初期KMFDMをまだ普通に紹介しきれてなかった!ということで、今回は1stアルバムの記事でした。KMFDMは歴史が長いだけに作品数も多く、このブログでもけっこう紹介済みなんですが、ゆっくりマイペースに過去記事を見直していこうと思います…多分。サボらなければ。

 というわけで、今回はプレデビュー作「Opium」と3rdアルバム「UAIOE」の過去記事を見直して少しだけ文章を修正しているので、よろしければ合わせてご覧ください。