MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Ministry / Early Trax

Early Trax

Early Trax

 

 US出身のAl Jourgensenを中心としたインダストリアルバンドの編集盤。

 

 サイドプロジェクト集「Side Trax」等と同時発売されたコンピレーション盤で、彼らの初期の12インチシングルや未発表曲をまとめたレア曲集。似たようなコンセプトの「Twelve Inch Singles (1981-1984)」という作品も古くからリリースされているけど、こちらがほぼ上位互換なのと、「Side Trax」と合わせて揃えると気分が良い(何だそれ)ということでこちらを選択。収録曲は、1st~2ndアルバムをリリースする間、Wax Trax! Recordsに在籍していた時期のもので(だから「Trax」?)、作風的にも当時の過渡期を思わせるもの。最初期の音楽性であるエレポップの香りを濃く残しつつも、リズムトラックは忙しなくビシバシと強烈に決まりまくり。同じ曲のリミックスだとより顕著にリズムが強化されインダストリアル要素が強まるし、未発表曲「He's Angry」「Move」ではノイジーなギミックも交えてガスガス・バキバキと常時鳴りまくりで更に攻撃性と不気味さを増大させており、大名盤「Twitch」への布石が感じられます。というかそもそも「All Day」は「Twitch」に(魔改造されて)収録されているし当然なのかな。そういう意味では興味深くも期待通りでもあるけど、1981年前後の音源であるラスト2曲「I'm Falling」「Overkill」は、なんと同時代性の強いポストパンクでビックリ!Joy Divisionかと思った。メタルなMinistryもいいけど、こういうMinistryも掘り下げるのは楽しいものです。