MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

トモコDEATH / DEATH TOROIKA

DEATH TOROIKA

DEATH TOROIKA

 

 2人組デジタルハードコアユニットの3rdアルバム。

 

 なんだか気味が悪くて呪われそうなジャケットがめっちゃ怖い。民族音楽とデジタルハードコアの融合というコンセプトを貫いている彼らの3作目は、ロシア民謡をフィーチャーした作品とのこと。タイトルもトロイカから来てるのでしょう。個人的にロシア民謡と聞くと、コロブチカとか、そうでなくてももっと土着的で、物悲しいメロディで、寒々しい大地を喚起させるような楽曲を連想するのだけど、本作からはそういう匂いはさほど感じません。いくつかの曲はロシア民謡のカバーのようなので間違いなく本国由来のものなんだろうけど、音階にそれっぽさを感じる程度で、特に前半はリズム主体のデジタルハードコアやダブに落とし込まれすぎて、色を失っているのがちょっと物足りないかなと。3作目ともなると、トモコの激しいシャウトにもそれほど驚きを感じないし。中盤から後半にかけては、ロシアの民族弦楽器やテルミンを後ろで鳴らすフォークトロニカや、いっそクラブ向けに振り切ったようなエレクトロニカが散見され、こういった方がらしさというか特性が出ていると思います。なのでもう少しステレオタイプな方向性でも良かったかなと。決して悪い作品ではないのだけど、改めて前作「anDEATH」の土臭さが見事だったという感想に落ち着きます。しかしユニットの活動は本作で終了したのは残念。