MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Pitchshifter 『Deviant』

 UK出身のインダストリアルロックの5thアルバム(2000年)。

 

 エリザベス女王ローマ法王の顔を合体させたジャケットがインパクトのある本作(そのせいでポーランドでは発禁に)。しかしここまでバンドを引っ張っていた創設メンバーでもあるギタリスト・Johnny Carterの脱退の影響もあるのか、前作で魅せたドラムンベース/ジャングルビートがスパークするソリッドでサイバーな感触は消失し、全体的にややスローダウンしたインダストリアル風ニューメタルといった趣に。サウンドの有りようはだいぶ没個性化した印象は拭えないけど、まだ全体をデジタル/サンプリングが支配しているような音響ではあるし、J.S. Claydenのポップに歌い上げるボーカルのカラーなどもあって前作の匂いをギリギリ引き継げているところにまだ救われている感じ。やっぱりちょっと耳にしたら「ああ、Pitchshifterの曲だ」って分かるので。これでまたヘヴィな音をバックにシャウトし出したらどうしようかと思ったけど(笑)、あくまでも前作にて確立したスタイルを維持しながら、現状の手札でできる最善の作品作りを目指したような気概を感じるし、多少物足りない部分もあるものの、これはこれで一つのアルバムとして決して悪くない出来に着地しているのではないかなと。超高速リズムトラック連打が爆裂する「Hidden Agenda」や元Dead KennedysのJello Biafraが参加したデジタルパンクな「As Seen On TV」など聴き逃せない楽曲にも要注目。