MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Ministry 『Twitch』

Twitch

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 US/イリノイ出身のAl Jourgensenによるインダストリアルバンドの2ndアルバム(1986年)。

 

 不本意な内容となった前作を“作らされた”レコード会社を離脱、最初期に所属していたレーベルに出戻り活動を再開する中で新たにSire Recordsと契約し、Al Jourgensenのソロプロジェクト状態でリリースした2作目。レーベル側の推薦で、UKダブシーンで頭角を現していたOn-U Sound Recordsの創始者Adrian Sherwoodを全面的なプロデューサーとして抜擢しています。彼がDepeche Modeなどのリミックス業や自身も参加するユニット・Tackhead等でインダストリアルシーンへ積極的に展開していたアプローチがそのまま地続きとなったような重厚でノイジーなビートが特徴的。崩れた機械/朽ちた電気的な響きで空間を支配するほどにまで練り上げられた音色、または純粋な打撃をイメージさせる金属音などで細かく多重に打ち鳴らされるリズムトラックや、耳に痛いばかりのノイズを細かく切り張りしたようなサンプリング/エフェクトの強烈さが目立つ一方、一部の楽曲にはどこか前作の延長を思わせるエレポップ的なニュアンスが残り香レベルで存在し、その過激さと享楽感の融合が図らずもアンビバレンスな味わいを寄与しているようにも思います。1曲ごとの密度はどれも見事なものだけど、中でも3曲が12分1トラックに収まっている「Where You At Now? / Crash And Burn / Twitch (Version II)」は、高速ハンマービートからノイズ乱打の混沌へ展開していく様が圧巻の一言。Ministryは本作以降、エレキギターを導入する形で音楽性の強化を図り、やがてインダストリアルロック(メタル)というジャンルの確立へ繋がっていくわけだけど、本作は単なるその前夜というだけでは語れない唯一無二の存在感を放ち、インダストリアル/EBMの歴史に大きな金字塔を打ち立てた意義深い傑作と言えます。