MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

AP2 / Suspension Of Disbelief

Suspension of Disbelief

Suspension of Disbelief

 

 Celldwellerで活躍するKlaytonが手がけたサイドプロジェクトのアルバム。

 

 かつてKlaytonを中心にJ.G. ThirlwellやTommy Victorらが参加したArgyle Parkというスーパーバンド的なプロジェクトの第2弾にあたるようで、ユニット名のAP2はそれの略と思われます。本作ではArgyle Parkにも参加していたBukaやKlaytonの実弟であるLVLが全面的に参加。主な方向性はFiXTっぽい(と言っていいものか)スタイリッシュなエレクトロニックロックで、ドラムンベースなフレーズの出番が多めで、アンビエントやメタルの要素などもチラホラ。前作にあたる「Misguided」に比べると音質が向上したことで音も太くなったし、ちょいちょい挿入されていた短いインストも今回はないので聴き通しやすいけど、全体的に実験性が高いというか、変にこねくり回したようなフレーズや流れが目立ちます。緩急がいきなり過ぎたり途中で別の曲のように様変わりしたり。Klaytonが中心になった楽曲はクオリティも一段階上だけど、彼の武器であるヒット性の高いメロディが拝めないので消化不良。もっとポップにまとめるなり、もしくはいっそ実験に振り切るなりすればもう少し素直に聴けたかなと。インダストリアルガバな「Silhoutte Of Rage」や、Zeromancerの「Clone Your Lover」並に「笑っちゃうけどなんかクセになるメロディ」が印象的な「The Only Man I Know」辺りはなかなかカッコいい。