MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Godflesh / Merciless

Merciless

Merciless

 

  UK出身のインダストリアルメタル/ポストメタルバンドの4作目のミニアルバム。

 

 時期的には2ndフルの「Pure」と3rdフルの「Selfless」の間にリリースされたもので、内容は未発表曲/新曲/新ミックス曲などが収録されたもの。サウンド的にも自己の頂点を極めていた頃なだけあって、非常に良い出来。重低音の効果音を等間隔に配置してマシーナリーな質感をアップさせたりノイズが激しく飛び交ったりと一味違ったひねりが加えられており、Godflesh独特のストイックさ/無常感に磨きがかかっています。そして何と言っても本作の目玉は「Flowers」。恐らくは「Pure」収録の「Don't Bring Me Flowers」の中に出てくる叙情的なギターフレーズを突き詰めて作られた曲で、脅迫的なリズムマシンや重いベースを排除し、ギターの折り重なりを軸に切々とした響き「のみ」で構成されていて、他の彼らの楽曲とは一線を画します。雪が舞い散るような情景が思い浮かぶ冷たさ/儚さを感じさせるけど、そこには無慈悲な絶望も内包されているかのようで…個人的にこの曲を聴いて連想するのは「核の冬」(核兵器の爆発や二次的な被害の影響によって空に巻き上げられた灰や塵が空を覆ってしまうことで、地上に日光が届かなくなり氷河期のような状況が訪れる現象)ですね。どこまでも救いがなく、だけど美しい。Godfleshの曲で「美しい」と形容したくなるのは後にも先にもこの曲だけかも。全インダスファン一聴の価値あり!(言いすぎ)