US出身のインダストリアルユニットの1stアルバム(1989年)。
インダストリアルロックともEBMともはっきりとジャンル分けできない、どちらとも取れそうな音楽性のグループはこの黎明期周辺でたまに見かけるけど、彼らの場合はその中でも80年代のパンク/ニューウェイブにエレクトロニックを注入したようなタイプ。キュッと引き締まったストイックなサウンドはポストパンクに由来し、ハッキリとバンドサウンドでグルーヴ感もなかなか。そこに重なるボディビート/ハンマービートはEBMのそれで、ちょっと過ぎるくらいにはダンサブルで、かつ肉体的。Killing JokeとNitzer Ebbを足して薄めた感じ──なんて言ってしまうと身も蓋もないのだけど、特にKilling JokeやJoy Divisionといった方向からの影響は「Isolation」をカバーしていることや、幾つかの楽曲にMinistryのAl Jourgensenが関わっている(!)ことからみても間違いなさそう。音質の悪さがポテンシャルを活かしきれてない感はあるけど、好きな人にはたまらない音でしょう!