MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Swamp Terrorists "Combat Shock"

 スイス出身のEBM/インダストリアルロックユニットの3rdアルバム(1994年)。

 

 販売する地域を一気に広げた(日本でもリリース!)ことから、彼らの出世作という位置づけも出来そうな一作。EBMの流れを汲みつつも、どちらかと言うとブレイクビート・ハードコアに近しいアプローチのリズムを主体とするサウンドに、ヒップホップの要素とサンプリングのスラッシュギターを加えるという1作目の時点で確立した彼らのスタイルは本作でも健在。あえて言うなら本作はスラッシュギターの存在感を高めたことで、よりインダストリアルロックとしての整合性や聴き応えが増加。それでも楽曲をヘヴィに聴かせるとかではなく、あくまで曲の表情のつけ方やアクセントなどに気を配るに留めるようなバランスの取り方が巧みで、時代や流行に左右されず自分たちのスタイルを貫くという姿勢が見て取れます。強いて言うならKMFDMに少し似ている部分もあるけど、後にリミックスなどで交流も持つし、クラブ受けする同系統グループとしてお互いを意識し合っていたのかも。機械的に繰り出されていく反復のフレーズの快楽で聴き手を激しくアジテーションするインダストリアルダンスは今聴いても十分に刺激的だし、界隈で傑作扱いされていてもおかしくない完成度。一般的なインダストリアルロックよりもThe Prodigyあたり、あるいはUKオルタナティブなんかを好きな人に受けが良いかも。