イングランド出身のオルタナティブロック/インダストリアルロックバンドの1stアルバム（2002年）。
彼らはインダストリアルロックやエレクトロニックロックの要素を持ち、そういったジャンルにも分類されているものの、基本的にはロックバンドとしての素の演奏に重きを置くスタンス。そしてプロデューサーがニューメタルやヘヴィメタルを中心に手掛け名を馳せるRoss Robinsonということでそっちの先入観を持ってしまうけど、彼らはイギリス出身らしい（？）叙情性というか、情感たっぷりの歌をまず第一に捉えた音世界の構築が耳を引きます。…とまぁUKロックとか全然詳しくないくせに知った風な言い方だけど。でもまぁ紋切型のインダストリアルメタルとかよりはMuseあたりを彷彿とさせ…というと言いすぎかな？違う方面で例えるとFilterやStabbing Westwardのようなポストグランジ/オルタナティブロック要素の強いバンドに近いかも。歌に込めた切なさや哀愁、またはそれが爆発するような激情を表現する手段としての静と動を行き交うダイナミズムや、キーボードやプログラミングのフレイバーを端的に織り込む色づけで上手く補助され、印象的なタイトルやアートワーク含めなかなか一本筋の通った作品になっているかと。このバンドならではの特長みたいなのはやや薄めだけど、その分人を選ばない入り込みやすさがあるとも言えます。ボーカリストの脱退もあり本作限りで解散したのが惜しいけど、2016年にメンバーが再集結し、リリースやライブなどの活動を再開しています。
