Delerium / Semantic Spaces

Semantic Spaces

Semantic Spaces

 

 Front Line AssemblyのBill Leebを中心としたエレクトロニカ/アンビエントプロジェクトの8thアルバム。

 

 この作品より大きく作風を変化させ、それまでのダークアンビエント系のアプローチから幻想的/宗教的なフィメールボーカルのアンビエント/エレクトロニカへと転向したターニングポイント的な作品。チャントやエスニックなアプローチを織り交ぜた、高潔でなだらかなムードで統一されています。8枚も作品を重ねる歴史がありながら、別のプロジェクトを立ち上げるではなく、まったく異なる音楽性で再出発するというのはある種大きな決断と言えるのかな。明確にボーカルが入っているのは「Flowers Become Screens」と「Incantation」のみですが、どちらも華麗なメロディが心地よい代表曲クラスの名曲。後者は本作中では珍しくダンスビートが拝めます。ボーカルを担当しているのは、後々もDeleriumで活躍するKristy Thirsk。素晴らしい歌声です。ただ、全体的に1曲1曲がかなり長尺な上に抑揚に欠け、繰り返し聴くのにちょっと辛い面もあり。まだマスを意識する以前の実験性が表に出ているのかも。雰囲気を楽しむアルバムといったところです。