アメリカ/オハイオ出身のダークエレクトロ/エレクトロインダストリアルユニットの2ndアルバム（2001年）。
リミックスEPを挟み約2年ぶりの2作目。基本的な方向性は前作から変わっていないけど、全体的に洗練の跡が感じられる印象。ズムズムうるさいくらいだったリズムトラックの音圧が若干抑えられ（それでもまだ強烈だしサウンドの中心だけど）、楽曲によっては前作よりもシンセ/ストリングスによるオーケストラ色を強くした大仰な世界観の演出を図ったり、前作の路線を引き継ぐような楽曲にしても、アグレッシブな切り込み方やスピード感を強調するような手法が取り入れられ、より緊張感の増したハーシュEBM/ダークエレクトロに的を絞るようなアプローチを展開したりと、アレンジの抑制やメリハリに気を配る余裕が感じられ、結果としてユニットが打ち出すコンセプトの輪郭がよりハッキリとした感じ。同時に楽曲としても耳を奪われるポイントが増加し、全体を通した聴き応えも順当に向上している感触があります。ただ相変わらず平坦なボーカルに力不足を感じるときもあるし、もうちょっと分かりやすく秀でた佳曲があればもう少し印象は違ってきそうだな…という物足りなさもあるので、「あと一歩なにかあればもっともっと好きになれそう」という惜しさは拭えない（贅沢）。それもまた期待の裏返しみたいなものですが。
