ドイツ出身の大御所インダストリアルバンドの4thアルバム（1993年）。
ジャーマンニューウェイブからインダストリアルメタルに移行していった彼らの過渡期的な作品。この頃になると前作の「EBM＋スラッシュギター」から「スラッシュメタル＋エレクトロニクス」という風にバランスが逆転していて、明らかに「インダストリアルメタル」の領域に踏み込んでいます。ニュアンスで言うと、ドイツの後輩バンド・Rammsteinが"ピコピコメタル"なら、彼らは"ビヨビヨメタル"といったところ（なんだそれ）。スラッシュギターの攻撃力に寄りすぎない位置で楽曲が細部まで作り込まれていて、なかなか個性的な音を放出しているのは流石。それに加えJürgen Englerの強化されたボーカルや、本作だけでなくバンドの歴史の中でも代表曲になった名曲「Fatherland」に顕著なムダに躍動感のある美メロディ、体感速度の増したスピードチューン、ド派手な効果音などなど…特有の（ネタの領域に近い）熱さがほどばしってるのが、聴いていてすごく気持ちがいいというか、ノレるというか。お家芸のメタルパーカッションは若干引っ込んだ感はあるけど、トータルで非常に魅力的な作品に仕上がっています。1993年作品とは思えないですね。
