MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

BUCK-TICK / ROMANESQUE

 5人組ロックバンドのミニアルバム(1988年)。

 

 1stアルバム「HURRY UP MODE」収録の「ROMANESQUE」の新バージョン、ライブで演奏されていた未発表曲「AUTOMATIC BLUE」、完全新曲2曲、そしてボーナストラックとして「ROMANESQUE」セルフリミックスを収録した全5曲構成。2ndアルバムから約4カ月というこれまた短期間で、言ってみればオマケのような今作を制作する必要があったのか背景がよく分からんのだけど、当時の人気や戦略の表れだったりするんでしょうか。オープニングの「MISTY ZONE」はシリアスな空気感が印象的な切れ味鋭いロックナンバーだし、「ROMANESQUE」はやっぱり妙な歌謡風味が癖になる(ちなみに違いは始まり方以外よく分からん)けど、「AUTOMATIC BLUE」「HEARTS」は80年代青春ビートロックの空気を引きずった初期ならではの微笑ましい曲。ラストのリミックスはリバーブやボリュームのツマミを適当にいじっただけでは?と思うほどに混沌とした曲に。彼らの長い歴史の中でも唯一のミニアルバムという珍しいポジションがマイナスに作用したのか、再発や後のベスト盤など編集盤への再収録等が長らく行われていなかったという不遇な作品に(後のデビュー30周年記念ベスト『CATALOGUE 1987-2016』に「HEARTS」が収録、2019年には全曲サブスク配信解禁)。音の籠りも含め、時代を感じさせる一枚。