MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Velcra / Between Force And Fate

Between Force and Fate

Between Force and Fate

  • アーティスト:Velcra
  • Emi
Amazon

 フィンランド出身のニューメタル/インダストリアルメタルバンドの2ndアルバム(2005年)。

 

 ヘヴィながらもキャッチーで聴きやすかった1作目に比べると、明らかに音数や的を絞ってきた印象のある2作目。キックと同化するようにゴツゴツとしたベースや迫力を増したギターを軸とした、更に重心の低くなったリフ中心のサウンドがとりわけ印象的で、シンセ/サンプリングは効果音のようなごく補助的な役割に収まるのみだったり、または時折シンフォニック効果を足したりホラーっぽい音階を控えめに奏でる程度で、前作で見られたような派手な装飾/味つけは基本無し。歌の方もメロディを歌い上げるパートが減少し、ラップの比率&ドスの効いたシャウトもパワーアップ。全体的にキャッチーさを排除しサウンドはより骨太&無機質になり、ニューメタルとしてもインダストリアルメタルとしても一層ハードコアな側面を強化してきました。前作でいう「My Law」や「Can't Stop Fighting」などのこれぞVelcra!といった分かりやすい強い曲が見当たらないのは前作に惚れ込んだ人には痛手かもしれないけど、一本筋の通ったヘヴィさ、それのみで勝負する潔さはまた違った魅力があるのも事実。前作同様に全10曲で約38分とサクっと聴けるのも後味が良い。個人的にも前作にも勝るとも劣らない好盤だと思っています。