MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Orgy 『Vapor Transmission』

 アメリカ・ロサンゼルス出身のニューメタル/インダストリアルロックバンドの2ndアルバム(2000年)。

 

 「SF」をテーマにしたという2作目。なんなら1作目の時点で、シンセ/エレクトロを中心に置いた近未来/SF風のヘヴィロックをある程度完成させていたとも言えるけど、本作ではその路線を踏襲しながらさらに強化。リフや裏メロなどに一際目立つフレーズを這わせながらも、低音を強調したリズム隊と一体となって、よりサイバー感の強まったサウンドを展開。ギターの存在感は楽曲によってまちまちで、ニューメタル色を濃く残す楽曲もあるけど、コアとなる表現の強化と発展によって完全に差別化し、単純にソングライティングの器量も上がったことで、独自の路線に磨きをかけています。チャートで好成績を残した「Fiction (Dreams In Digital)」や映画に使用された「Opticon」など、とりわけシングル曲の哀愁の表現がとても良い。SFと言っても無機質で冷たい機械のようなものではなく、近未来×バンドサウンドという肉体性をコーティングしたような感触で、シャウトをほぼ使用せずにポップな響きを常に心がけるボーカルと、衣装まで含めたトータルの表現の合わせ技にはむしろグラムロックの延長という印象もあり、そこがバンドの独自性に繋がっているのかなと。個人的には楽曲のバリエーションを考えると、もうちょっと曲数を絞ってくれたらさらに愛聴盤になり得たかもとは思うけど、完成度で言えば前作超えは確か。セールス的には爆発した前作にはさすがに遠く及ばないにしてもそれなりの好結果で、前作と合わせ、以降のサイバーゴス/シンセロック系のシーンに一定の影響を与えた作品になっていると思われます。