ドイツ出身のインダストリアルバンドの5thアルバム（1992年）。
もともとはSascha KonietzkoとEn Eschが別々に制作した楽曲を持ち寄り「Apart」という作品を完成させる予定だったものの、レコード会社からのダメ出しでEn Eschの曲がお蔵入りになり、Sascha Konietzkoがレコード会社の支援を受け、過去の楽曲のリミックスや新曲の別バージョンなどを急遽制作することで完成に至ったという作品。だからこんなタイトルなのかな？当時はRevolting CocksやMy Life With The Thrill Kill Kultらと関係を築き、シカゴを中心にアメリカで頭角を現していた頃だったようで、まぁ色々思惑があったのかも。そんなわけで（？）内容はよりクラブ向けの売れ線というか（知らんけど）、特に前半はより女性コーラスを際立たせ、四つ打ちメインのエレガントなハウスやエレポップ的な方向性へ。ギターの存在感やロックの攻撃性、黒いジャンルとのマニアックな親和などは一旦後退し随分と洗練されています。女性と紫色のジャケットに印象が引っ張られているわけではないと思うけど、イメージは重なりますね。制作の事情もあってか後半にかけて地味になっていくし、長い曲や単調なパートの多さも相まってどうにも刺激の少ない聴き味は否めないけど、当時のクラブシーンでは好評だったようで何より。ちなみに収録が見送られた曲は後のシングルや編集盤へ、En Eschの曲は彼のソロ作品などへ収録。そして2020年には本来の「Apart」から9曲を抜粋した形の作品が無料配信されました。
