Nine Inch Nailsの元ギタリストRichard Patrickを中心としたインダストリアルロック/オルタナティブロックバンドの約4年振りとなった2ndアルバム。
結成当時のメンバーBrian Liesegangが脱退し、全く新しいバンド体制となってリリースされただけあって、別物のように変身を遂げています。 インダストリアル色も減退し、内側へ篭もったような抜けの悪さから一転、開放感をともなったグルーヴ感を獲得。長期間に渡るツアーをこなしたらしく、その成果で一回りも二回りも成長したRichard Patrickのエモーショナルなボーカルと、グッとバンド感が表に出た力強く透明感のあるヘヴィネスがガッチリと曲を支え、アコースティックな側面すら垣間見せるようになり、何だかUKロックのような叙情性すら漂っています。ただ、長い曲が多いことや、イマイチ印象に残らない曲の存在などで全体が間延びし、ヘヴィローテーションにはやや辛いかなという惜しい面もあり。しかし「It's Gonna Kill Me」「Take A Picture」などに見られるこれまでにない雄大な楽曲を中心に、Filterの新たな方向性を見出した作品だと思います。