MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

BUCK-TICK 『SEVENTH HEAVEN』

 5人組ロックバンドの3rdアルバム(1988年)。

 

 2ndアルバムから約7カ月、ミニアルバム『ROMANESQUE』から約3カ月というハイペースでのリリース。しかもその間もライブやらプロモーションやら怒涛のスケジュールで、更に楽曲のストックがほぼ無い状態から制作に入ったため完成しただけでも御の字だったという逸話も。その分メンバー的には詰め切れなかったという思いも残っているようだけど、櫻井敦司の作詞の割合が一気に増え、星野英彦が制作した楽曲が初採用されるなどバンドの新しい型への移行が徐々に進み、そこに歩調を合わせるように前例のないような楽曲のモチーフや趣向を凝らしたアレンジへの挑戦の跡も見られるなど、音楽性をより飛躍させようとする意思が見え隠れする作品でもあります。お花畑で「ラララ♪ラララ♪」と歌われるかのようなオープニング「FRAGILE ARTICLE」に別の意味で驚愕しつつも、浮遊感たっぷりのスローナンバー「ORIENTAL LOVE STORY」からパンク一徹の「PHYSICAL NEUROSE」の振り幅なんかも強烈だし、全体的にもやや哀愁の強い暗いトーンの楽曲にはより個性というか、後の彼ららしさを更に感じるようになったりも。でも結局一番好きなのは今も昔も「...IN HEAVEN...」。スピード感といい不思議に切ないメロディといい、実にクセになります。人気曲だけど、個人的に彼らの聴き始めの頃にハマった曲なので思い入れもひとしお。本作にはSOFT BALLET結成前の森岡賢が関与し、制作上のキーマンだったというのもいい話。