MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Vampire Rodents "War Music"

War Music

War Music

  • Rodentia Productions
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 アメリカ/アリゾナ出身のアヴァンギャルド/インダストリアルバンドの1stアルバム(1990年)。

 

 今も詳しくは知らないし、何きっかけで知ったかも忘れた、自分の中でかなり謎なアーティスト。ボーカル&作曲&マルチプレイヤーのDaniel Vahnkeとキーボード&ボーカルのVictor Wulfの2人を中心とし、作品ごとに助っ人が数名参加する方式のようです。んでこの1st、後の作品との比較になっちゃうけど、彼らの特性というか得体の知れない持ち味はまだ開花一歩手前という感じ。いや、これでも十分ヘンではあるんですけども。やってることは無骨で乱雑なモノクロEBMという感じで、ギター、ベース、サンプリング、バイオリン?チェロ?などが絡み合いつつ淡々とした不気味さが蔓延。音階を無視しながら台詞や叫びを垂れ流しているようなボーカルもあいまって、どことなくSkinny Puppyにも似ています(実際そういう評価もあった模様)。雰囲気的には嫌いではないけど、焦点がよく分からないというか、やや聴き所に欠けているなと。とか思っていたら、後半には雰囲気をガラッと変えたド正面のニューウェイブ/エレポップ、童謡のような歌い出しからファンクへ繋がる曲などもあって目が点。そもそもアーティストの方向性やこの作品には、西洋文化や中国の政治の批判などを、ダークユーモア的な歌詞(ロシア語や中国語含む)で高らかに歌い、インダストリアルロックやコラージュ音楽をその手法として確信的に用いたという背景があるようです。その辺りを含めて「何らかの種明かし」だとすると、そこを理解できる人だけが楽しめる性質を持つのかも。だとすると難しすぎる…