MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Jakalope / Born 4

Born 4

Born 4

  • アーティスト:Jakalope
  • 出版社/メーカー: Orange Music Canada
  • 発売日: 2006/06/06
  • メディア: CD
 

 インダストリアル界の大物プロデューサー・Dave Ogilvieとボーカリスト・Katie Bを中心としたインディーポップ/インダストリアルロックプロジェクトの2ndアルバム。

 

 鮮烈なデビューを飾った前作に続き多くの著名ミュージシャンが関わり、Nine Inch NailsのTrent Reznorも前作同様に共同プロデューサーに名を連ね、期待が募る2年ぶり2作目。今回は前作と逆で日本盤が先行リリースされたため、日本盤に限っては約1年という短いスパンでの発売になったみたいです。手応えがあったのかな?そんな本作、まず再生すると聴こえてくるのがマーチングドラムに乗せられたゴツめのリズムギター。なんだかバックだけとればマイルドにしたMarilyn Mansonのよう。この曲に限らず、全体的な方向性としてバンドサウンドを前面に置いてきたのは明らかで、中盤あたりまでは割とどの曲もドラムが弾け、ベースがブンブン唸り、ギターもラフに掻き鳴らされている感じで軽快に進むし、終盤にかけてはアコースティックな曲も増えていきます。先行シングル「Upside Down」はもうなんか正しく古き良きパワーポップって感じで、間奏ではギターソロまで飛び出し、ラスサビ前ではKatie Bが「イチ、ニィ、サン、シ!」と日本語でカウントするというおまけ付き。可愛い。前作との違いが最も感じられる曲かも。ただ、エレクトロニックな要素が完全に消えたわけではないんだけど、前作のインダストリアル/ゴス/トリップホップを下地にマニアックさを残しつつ極上のポップスに仕立て上げたような独自性は薄れてしまったのは確か。それでも女性ボーカルのインダストリアル系グループとしては依然面白い位置にあるので、ここから先も注目するつもりでした。が、本作を最後にKatie Bが脱退し、結局このスタイルはここで見納めになってしまいました。残念。