KOTOKO / 空中パズル

空中パズル(通常盤)

空中パズル(通常盤)

 

 I've出身ボーカリスト/シンガーソングライターの6thアルバム。

 

 独立/移籍後のアルバムとしては2年ぶり2作目になり、全曲書き下ろしかそうでないかの違いはあれど、I've内外の作家から提供を受けた楽曲群に自作曲を添えた自己プロデュース盤という構造は共通。多数の作家が参加した前作からは齋藤真也とDECO*27が続投し、特に齋藤真也はリード曲を含め数曲の作編曲を担当。そして彼と関係も深いfripSide八木沼悟志による楽曲も3曲収録。この2人のカラーが作品のイメージに大きく貢献しており、新風を吹き込むと共にクオリティもグッと底上げしています。特にロック系の楽曲は、これまでのKOTOKOに多かった"I'veサウンドとロックの摺り寄せ"ではない明快なアプローチに徹したものが多く、「Light My Fire」(これはsupercellのryo作だけど)を始め、ライブでの盛り上げを見据えたようなパワフルさが爽快。一方、八木沼悟志の楽曲はそれだけで一枚通すとちょっとクドいけど(えっ)、これくらいの曲数だと丁度いいし、ラストを「→unfinished→」で飾るのは流れとしても意味としても最高。そして高瀬一矢によるこれぞI've!と唸る楽曲も負けじと冴えを見せています。全体としてはバラードどころかミドルナンバーすらも僅かに留まり、アップテンポな楽曲がほとんどながら、バランスに気を配られていて飽きないし楽しい。KOTOKOのメジャーでの活動は、シンガーソングライターとしてのエゴを出したり、逆にI'veに特化したりといった面を見せてきたけど、もしかしたら本作こそが彼女の魅力が最もニュートラルに伝わるかも。メジャーデビュー10周年目前の6作目、というキャリアながら、ここに来て最高傑作と言えるくらいの内容。何かと中途半端だった前作から一転、一気に突き抜けまくった快作!