Ray / RAYVE

RAYVE (初回限定盤)

RAYVE (初回限定盤)

 

 アニメソング系ボーカリストの1stアルバム。

 

 デビュー曲「sign」がとても好きだった。「Kanon」の主題歌や「鳥の詩」などの名曲を生み出した伝説のタッグ「作曲:折戸伸治 × 編曲:高瀬一矢」が数年振りに手掛けて話題になったし、タイアップ作品に重なる真夏の季節感や清涼感に溢れた情景を見事に描写した紛れもない名曲だったのである。続く2ndシングル「楽園PROJECT」ではド頭からサビの2段目で始まる曲構成がウルトラCだし、3rdシングル「Recall」では攻撃的なリフの裏で金属音がガキンガキンと大胆に鳴らされる(風)アレンジにひっくり返った。そして注目していたこの1stアルバム「RAYVE」。これは彼女のワンマンライブの名前なのだけど、本作に限って言えば「Ray + I've」なのは明白で、ここまでのシングル同様にI'veの作家陣が全面的にプロデュース。またKOTOKO川田まみ黒崎真音も詞を提供するなど、I've非所属ながらも完全にI'veが全力で力添えする形で制作。シングル曲に加えクールなダンスチューンや直球バラードあり、唱歌のような清純ソング「向日葵」(サビ3回とも歌い回しが異なるこだわりが最高!)、また電波ソングの「baby♥macaron」やラスサビ前に劇中台詞を発する「Sweet Days」など、アニソンとしてもI'veとしても見せ場の多い幕の内弁当的な構成で、散漫にならず器用に歌いこなすのもあってド安定の仕上がり。"夢見る乙女"的な甘い詞世界はかなりアイドル寄りでもあるけど、そこを正面から楽しめる人やI'veファンにとってはまず期待を裏切らない出来でニッコリ。流石に川田まみMELLのように「ロック好きにもお勧め」などとは口が裂けても言いません。でも個人的には、当時I'veへの興味が薄れかけていたのを一気に引き戻してくれた作品であり、2013年ベストアルバムに数えたいくらいお気に入りの一枚になったのでした。割とマジで。