MELL / Entrust ~the name of MELL~

Entrust ~the name of MELL~

Entrust ~the name of MELL~

 

 I've専属ボーカリストの編集盤。

 

 本作をもってI'veを卒業し歌手活動の休止となったため、初のベストアルバムにして同時にラストアルバムにもなった作品。大きく分けると「メジャー以降のシングル/タイアップ曲の多く」「インディーズ時代の代表曲や再テイク」「新曲2曲などの初CD化曲」で構成。既存曲の総括としてみるならアルバム曲からの選出が非常に少ないといった片手落ち感はあるけど、体調不良などもあり恐らくは想定外の休止となってしまった彼女の「3枚目のアルバム」としての価値も意識したようなラインナップは魅力十分。鮮烈なメジャーデビューを飾った「Red fraction」に始まり、大海のような包容力とスケールを感じさせる森岡賢作曲「MY PRECIOUS」を中心に配し、集大成的な「In The Name Of Love」に繋がっていくなど、曲順もアルバムの流れも実によく考えられているし、初CD化の楽曲も彼女の得意とするスタイルが散りばめられた期待通りのもので、その濃密な活動の成果が込められた充実の内容。彼女の発言からは「Red fraction」のような攻撃的なイメージ「だけ」が独り歩きすることを望まなかった節があるけど、事実、優しく包み込むような母性的な愛情や、凛とした歌唱の中で一瞬覗かせる可愛らしさなど色んな表情を見せてくれる人であり、もちろんそれは本作でも満遍なく感じ取ることができます。でも、インダストリアルロック同然のアングラ/ハードな英詞曲を堂々と歌いこなすあの衝撃も決して薄れるものではなく、改めて素晴らしい歌手だったとしみじみ。本作のキャッチコピーになぞらえて言えば、彼女の"堂々たる完結"のために、最後であり最良の一作を目指したまさに珠玉の作品。「インダストリアル・アニソン」よ永遠なれ!