川田まみ / SQUARE THE CIRCLE

SQUARE THE CIRCLE 〈初回限定盤〉

SQUARE THE CIRCLE 〈初回限定盤〉

 

 I've専属ボーカリストの4thアルバム。

 

 タイトルは「円の正方形化」ひいては「不可能を企てる」を意味するとのことで、その強気な姿勢を裏づける内容となっています。中でも先行シングル曲の1つ「No buts!」は特筆すべきものがあり、目くるめく展開と趣向を凝らした重厚さが破壊力抜群のエレクトロ × ロックチューンで、彼女とは蜜月関係にあるアニメ作品「とある魔術の禁書目録」における「魔術と科学が交差する混沌」を完璧に表現。これぞ90年代から"タイアップ作品との調和"を綿々と追求してきたI'veの真骨頂。アルバム曲にしても全く引けを取らないラインナップが揃い、エレクトロハウス風「Don't stop me now!」、文字通りハンドクラップを想起させる夏っぽいロック「Clap! Clap! Clap!」など新鮮なアプローチが目立つ一方で、彼女の柔らかい声質を生かす開放的な歌モノも抜かりなく、またそれで一旦落として最後に再び加速していく流れも秀逸。過去作の踏襲に終わらない果敢なチャレンジと、そこに追随する楽曲の尖り方・ポップさを両立させる完成度は傑作だった前作をも上回るレベルだし、それをアニソンシーンの最前線に送り込んだという点でも非常に意義深いもの。当時の彼女の対外的な活動を通した意識の変化や成長が制作に反映した結果だと思うし、KOTOKO島みやえい子が卒業し、自らがI'veの看板を背負うぞという自負も少なからずあったことでしょう。以前当ブログで2010年前後のI’ve3作品を三種の神器と表現したけど、本作はその先へ到達した稀有な一枚じゃないかと。文句なしの最高傑作だし、海外のエレクトロニックロックが好きな人にもリーチし得ると思っています。