zilch / 3・2・1

3・2・1

3・2・1

 

 X JAPANのギタリスト hideを筆頭としたプロジェクトバンドの1stアルバム。

 

 The Professionalsの元ギタリスト Ray McVeigh、Killing JokeやProngの元ベーシスト Paul Ravenを加えた3名を中心とし、楽曲ごとに元Sex PistolsのSteve Jones、元Nine Inch NailsのChris Vrennaなど幅広い一流ゲストを迎える体制。hideの「海外進出」「純粋にやりたい音楽の制作」等の実現を主な目的にしていたとのこと(※本作はhideの没後に発売)。それだけに音の方は世界基準というか、それこそ海外のトップバンドにも比肩する程にヘヴィでグルーヴ感に溢れ、かつ身軽で遊び心にも満ちたもの。メタルやパンクやインダストリアルだけでなく、ヒップホップやサーフロックなど多方面からのミクスチャー感覚を元に見事なまでに一本化。また、イヤホン等で隅々まで聴くと色々な仕掛けにも凝られているのが分かるし、それが過剰にも冗長にもなっていない絶妙さにも舌を巻くばかり。攻撃的な側面と聴く者を楽しませるユーモアの両立ぶりや、それをポップに響かせる優れた手腕は、まさにhideの唯一無二のセンスそのもの。また、ソロで発表済みの「DOUBT」「POSE」、X JAPAN「DRAIN」のhide版とも言える「WHAT'S UP MR. JONES?」等は本作向けの苛烈で理想的なセルフカバーとなっているし、本作の「INSIDE PERVERT MOUND」を「LEATHER FACE」としてソロでカバーした点からも、彼の創作に対する境界線のない姿勢や、本作が一種の集大成的な作品であることが伺えます。"大人の事情"で発売が1年延びなければもっと違った評価を得ていたと唱える声もあるし、個人的にもこんなに魅力的なロックアルバムにはそうそう出会えないと今でも強く思います。