島みやえい子 / E.P.S -Eiko PRIMARY SELECTION-

E.P.S -Eiko PRIMARY SELECTION

E.P.S -Eiko PRIMARY SELECTION

 

 I've専属(当時)ボーカリスト/シンガーソングライターの編集盤。

 

 初(そして唯一)のベストアルバム。甲状腺癌を告白した翌年にはめでたく完治したものの、本作と合わせてI'veからの卒業も発表されたので、彼女のI've在籍時代を総括するためのラストアルバムといったところ。そうは言ってもソロ名義・PCゲーム提供曲ともに名曲の多い彼女を1枚で総括するのはなかなか難しい。本作ではメジャーのシングルA面曲(全てが「ひぐらしのなく頃に」関連タイアップ曲)を優先的に選出し、残りの半分強をソロ名義(PC曲・書き下ろし新曲含む)に割り当てたような構成となっています。アルバム未収録だった後期のシングル曲が収録されたのは嬉しいし、シングル曲は総じてI've作家が手掛けたインダストリアル風ナンバーで、川田まみMELLらのアッパーなロックとはまた違ったダークさ・おどろおどろしさが前面に出た楽曲群が一気に聴けるのは非常に魅力的。ただ、それ以外のソロ(主にシンガーソングライターとしての)曲とは作風に大きな隔たりがあり、選曲もどうしたって物足りなさは出るので、彼女の振れ幅というよりは「二つの顔」を楽しむ作品と捉えると良いかも。しかしどちらにも一貫しているのは、その表現力と懐の深さ。一口にアニソンだI'veだと言っても、ここまで自己の世界を確立したアーティストというのもそうそういないと改めて思わされます。それだけにI've卒業は残念だけど、歌手活動を引退したわけではないし、「I'veとの関係はこれからも変わらない」との言葉通りコラボレーションもたまに行っているようで一安心。