MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

SUGIZO / C:LEAR

C:LEAR

C:LEAR

 

 LUNA SEAのギタリストによる2ndアルバム。

 

 LUNA SEAの終幕後、2002年より活動を開始したSUGIZO & THE SPANK YOUR JUICE(目的によりメンバーが流動的に変化するグループ)名義での集大成的な作品といったところ(でも個人的に好きだった「SUPER LOVE」は未収録)。1stソロアルバム「TRUTH?」に通ずる世界観はあるものの、ああまで実験性に重きを置いておらず、素直にSUGIZO自身がボーカルを執る歌モノが大半。しかし「NO MORE MACHINE GUNS PLAY THE GUITAR」や「傀儡」といったヘヴィロック/ミクスチャーロック、アンビエント/ポストロック的な空間的アレンジの美しさが映える楽曲、フュージョンとロックを行き来する「PERFUME」、バラードなどレンジは広く、そんな楽曲群を彩るラウド/ノイズ/アコースティックなど豊かな表情を見せる独特のギターワークも相変わらず素晴らしい。SUGIZOのボーカルも、反戦や生きることを鼓舞するような悲痛なメッセージを乗せ、後のアルバム「ONENESS M」(2017年)にて清春が歌った「VOICE」を筆頭に洗練されたメロディを聴かせます。それこそ一部の楽曲からはLUNA SEAの楽曲に近い感触すらも得られるし、そういう意味でも、彼の音楽的素養の広さと、より自然体のスタンスが融合した親しみやすさも併せ持つ作品と言えます。しかしこうなって来ると、SUGIZOの声質/歌唱力をどう見るかという点が本作の評価において大きな分かれ目にも。個人的には音楽性にも合ってると思うし結構好きなんだけど、合わない人はとことんダメかも。