MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

girugamesh / GO

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 4人組ロックバンドの5thアルバム(2011年)。

 

 再生すると、清涼飲料水のCMソングかと聴き紛わんばかりのウルトラ爽やかなラブソングが入れ代わり立ち代わり流れてきて脱力。初めて聴いたときは開いた口が塞がりませんでした。形は悪くない出来だけど、これまでの音楽性を考えると「これを彼らがやる意味はどこに?」と腑に落ちない感情に包まれること必至。前作「NOW」でもかなりポップ化は進んでいたのに、それを超えてくるという。好みにもよるけど、多くのファンにとってはダメなポップ化の見本みたいに映りそう。実際、本作発表時は「自分たちの音楽をお茶の間に届けたかった」とのことだったけど、ずっと後に「当時は事務所に言われるがままだった」と種明かし。そして本作リリース後に解散寸前の活動休止…と、バンドが明らかに大きく迷走していたこの時期を象徴するような迷作となりました。ヘヴィなダンスロック「MISSION CODE」、ウェディングパンク(何だそれ)「Never ending story」というライブで定番化した名曲という救いもあるけど、後のベスト盤に強化され収録されたので、今手に取る場合の本作の価値はと言うと…個人的には哀愁の表現が秀でているラスト曲の「イノチノキ」くらい。ちなみに初回盤は丸々1枚のライブ盤や内容色々のDVDが付いてお得。ファンへの埋め合わせってのは考えすぎか。あるいは怖いもの見たさ的に聴いてみるのも一興かも。