MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Der Eisenrost / ARMORED WEAPON

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  かつてZEITLICH VERGELTERで活躍した映画音楽家/メタルパーカッショニスト・石川忠を中心としたメタルパーカッションユニットのアルバム。

 

 映画監督・塚本晋也の映画「鉄男」等のサウンドトラックを担当した石川忠を中心に、塚本監督の助監督だった川原伸一、EBMユニット・C.H.C. Systemの関伸一らが加わり、「鉄男」の世界観をライブで再現することを目的に結成されたというユニット。2作のアルバムを発表しており、こちらは「LIVE DOCUMENTS '93-'94」というサブタイトルにもある通り、主にライブ音源で構成されています。初期のTest Dept.を彷彿とさせる、正しく金属音をフィーチャーしたザ・インダストリアルなサウンドは、石川忠名義のサントラ音楽に比べるとかなりプリミティブで刺激的。唸りを上げるボーカル、荒々しい演奏に覆い被さるドリル音、耳に刺さるようなノイズと化したメタルパーカッションの激しい連打やユニゾンなど、どれもおどろおどろしく生々しい迫力。メタルパーカッションを叩く強弱すらも手に取るように聴こえてライブの臨場感も抜群だし、狂気的であろう画も浮かび上がるかのよう。終盤の2曲はスタジオ録音の楽曲で、インダストリアルノイズメタルとでも言えそうな鋭利な音の洪水が圧巻。本ユニット以外でも様々な音楽活動で多大な功績を残した石川忠は、2018年に向けて新たな音楽活動の準備を進めていたとのことだけど、同時に闘病で入退院を繰り返す生活だったらしく、残念ながら2017年末にお亡くなりになったそうです。ご冥福をお祈りします。